じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

2020年の年度代表馬はアーモンドアイで納得せざるをえない。

 新年早々、いろいろあって病院があわただしくなっている。
 午後、往診に出かけたのだが、車のなかで、僕の父親は毎日のように田舎の診療所でこんなふうに往診をして、子どもたちを育てていたのだなあ、というのが頭に浮かんできて、不意に涙がこぼれそうになった。親の心、子知らず。まあしかし、そういう慣用句を自分で子どもに言う人でもあったな、と泣き笑い。
 JRA賞年度代表馬はアーモンドアイに、最優秀3歳牡馬はコントレイル、3歳牝馬はデアリングタクト、短距離場はグランアレグリア、そして、特別賞にクロノジェネシスと、激戦が予想されていたものの、投票してみたら、案外、ちょうどいい具合に活躍馬にタイトルを分配できた、という感じ。あのジャパンカップの盛り上がりと結果を考えると、年度代表馬はアーモンドアイで納得せざるをえない。しかし、あらためて考えてみると、古馬になってからのアーモンドアイは、秋の天皇賞ジャパンカップを2回ずつ、そして、2020年のヴィクトリアマイルと、ドバイでの勝利を除くG1勝ちは、すべて東京競馬場だったのだよなあ。昨年の有馬記念では圧倒的人気にもかかわらず惨敗し、今年は東京でも安田記念でグランアレグリアに出遅れもあって完敗。負けるたびに、5ちゃんねるには「アーモンドアイとは何だったのか?」と強さを疑問視するスレッドが立てられ、「○○より弱い」と叩かれていたのだが、最後にあのジャパンカップに勝ったことで、アーモンドアイの株は爆上がりしたともいえる。最後に勝つと、残る印象がすごく良くなるよね。オグリキャップとか、あの引退レースのおかげで、その年の秋の天皇賞ジャパンカップの惨敗が「ドラマを盛り上げる演出」のようにさえみえたものなあ。アーモンドアイ、実は、単に東京巧者だったのでは……という気もするけど。東京以外を使わなかったウオッカみたいなものかもしれない。それでも、5歳まで大きな怪我なくコンスタントに出走できたのは凄いことだ。古馬の大レースは東京競馬場で行われるものが多い、というのも確かだし。アーモンドアイは最強馬か?という問いに対しては、「やっぱり、ディープインパクトは別格だったと思う」と答えるけれど。
 そのディープ産駒で、最優秀4歳以上牡馬に選ばれたフィエールマンの引退も発表された。勝ったG1は菊花賞春の天皇賞2回と、長距離馬の実績だけれど、この馬、本質的には「ある程度著裡が延びても対応できる中距離馬」で、現在の長距離路線だと相手関係がラクなので長距離G1を狙っていただけだと思っていた。3歳時のラジオNIKKEI賞(2着)の直線で、最後方からぶっ飛んできた脚をみて、こんなに切れる脚を使えて、後ろからの極端な競馬をするのでは菊花賞には向かないだろうな、と予想していたら、菊花賞で来たんだよなあ。でも、馬券は「デムーロ(エタリオウ騎乗)とルメール(フィエールマン)の組み合わせは買っておくか、フィエールマン人気ないし」で当たったのを覚えている、去年の秋の天皇賞も、2000mでも対応できる、むしろ向いているかもと思っていた。当たるときって、競馬はけっこう簡単なのだ。京都金杯ケイデンスコールとか、僕にはピースワンパラディ軸の全馬流し以外では、何万年考えても買えそうにないが。
 もともと体質が弱いところがあるらしいし、もう今年は6歳なので、ちょうどいいタイミングでの引退でもあると思う。来年は、ディープ産駒の種牡馬として、コントレイルがライバルになる可能性が高そうだし。