金曜日は朝は早いし、遅番で帰りも遅くなるのでけっこうつらい。当直がないというだけで、日常の幸福度はかなりアップしているはずなのだが、人間、ラクなことにはすぐ慣れる。
けっこうくたびれて家に帰り着いたら、スマートフォンに見慣れない番号の着信があった。ネットで番号を検索してみると、近所の某レンタルDVD&ゲームショップから。何か返却するの忘れていたかなあ、最近行ってないはずだけど……と思いつつ折り返してみると、「以前、アプリで申し込みされていた、プレイステーション5本体の購入権に当選しました」とのこと。「えっ、本当ですか?」と思わず聞き返してしまった。元日に雪の中ヨドバシ博多に急遽遠征したものの徒労に終わって以来、機会があるたびに、いろんなところに応募していたのだが、まったく当たる気配もなく、しばらくは買えそうもないな、ネットで転売屋から買うと9万くらいか……うーむ、7万くらいなら……とか、誘惑に負けそうにもなっていたのだ。最近のTwitterなどでのヨドバシでの販売状況をみていると、一時期よりは品薄は解消されつつあるような気はするけれど。
これまで、「何をどうやっても買えない、どうなってるんだ!」と思ったいた商品なのに、ようやく「買える」となると、本当に必要なのか、なとど考えてしまう。
元日にヨドバシに向かいながら検索していたら、意外と、PS5でいま遊びたいゲームって無かったんだよなあ、とか、ちょっと後ろ向きな気分にもなったのを思い出した。いや、買うんだけど、嬉しいんだけど。
昔、糸井重里さんが「ほしいものが、ほしいの」というコピーをつくっていた。
僕も、本当にほしいのは、その商品ではなくて、「何かがほしい、そのためにがんばる、というモチベーション」なのかもしれない。あんなに欲しかったのに、なんだ、買えちゃうのか……なんて、少しがっかりもしているのだ。
そういえば、僕の小学校の担任の先生が、「俺は、みんなの『あれがほしい』という目が好きなんだ」と話していたのをいまでも覚えている。どんな文脈でその話になったのかは全く覚えていないのだけれど、あの頃の僕は「そんな欲望まみれの目のどこが良いんだろう?」と思ったのだ。でも、いまはその先生が言いたかったことが、わかるような気がする。
まあ、なんのかんの言いつつも、結局、楽しみだなあ、PS5。そして、PS5が来るとなると、プロジェクターを買ったことで鎮火していた新しいテレビが欲しいなあ、とか、また新たな物欲が湧いてきた。僕の「あれが欲しい」は、まだ枯れてはいないようだ。いやしかし、もうすぐ50になる人間がゲーム機や大型テレビというのは、平和でもあり、悲しい気もする。先生にあの話をきいたときの意気込みでは、競走馬やクルーザーや自家用ジェットくらいを欲しがっている年齢のはずだったのに。
【PS5】Marvel's Spider-Man: Miles Morales Ultimate Edition
- 発売日: 2020/11/12
- メディア: Video Game