じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

日本代表対コスタリカ代表の試合を観て、「うまくいっている状況にプレッシャーを感じて失敗していた学生時代のこと」を思い出した。


 11月最後の日曜日。ワールドカップの日本代表戦が行われるので、なんだか朝から落ち着かないまま、外に出かけたり、Amazonのセールを眺めて「なんかもうAmazonで欲しいものは買い尽くしてしまったような気がするな」と思ったりしながら過ごした。

 ジャパンカップ、久しぶりにけっこう外国馬が出走してきてくれて、しかも内枠先行馬有利の馬場状態で、外国馬は内枠が多く、出走メンバーを見たときには、この2頭で決まりだろうと思ったダノンベルーガが7枠14番、シャフリヤールが7枠15番。それでも、この2頭で馬連3倍くらいかな、と予想していたのだが、オッズはかなり割れていた。これなら、2頭の単勝だけ買って観戦するか、と考えつつも、結局、今週はなんとか当てたいので7枠から広めに流し(もちろん同枠も)、内枠有利を踏まえて2枠と3枠の枠連も購入。
 ヴェラアズールは前走京都大賞典を勝ったが、相手はそんなに骨っぽくなかったので人気しすぎだろうとぼやき、ヴェルトライゼンデは2枠3番でレーン騎乗じゃなかったら買わないけどなあ、と思いつつ。

 レースは、予想以上のスローで流れ、直線かなりゴチャつく展開に。内の馬場の良いところをみんな狙っていくなかで、ダノンベルーガが外から先に抜け出したが、それを待っていたかのようにシャフリヤール。内からはやっぱりレーンのヴェルトライゼンデ。やっぱりレーン上手いなあ、内枠有利だったなあ、と結論づけかけたところで、ムーアのヴェラアズールが狭いところから抜けて末脚一閃。
 シャフリヤールが最後、ヴェルトライゼンデを差して2着を確保(斜行でC.デムーロは騎乗停止になってしまったが)。
 ムーアやっぱり凄いな。ヴェラアズールさすがにこれは過剰人気ではないか、と疑っていたのだが、ムーアがラストインパクトを2着に持ってきた2015年を思い出したので買っておいてよかった。馬券的にはほんのりプラス、くらいの結果ではあるけれど、とりあえず悪くない気分で過ごせる。

 あと、最後にデアリングタクトが猛然と追い込んできたのには感動した。あれ以上突き抜けられると、馬券的に泣くことになったかもしれないのだが、2年前の三冠馬が3頭そろったジャパンカップのことをこの馬は覚えていたのだろうか。急坂がないコース、あるいは府中2400mがよかったのか、外国人騎手がハマったのか。出走する、しかも鞍上はパワフルに馬を追うタイプのマーカンド騎手と聞いて、悪いことが起こらなければいいが、とにかく無事にレースを終えてほしい、と心配していたのが取り越し苦労になってよかった。とはいえ、もう5歳だし、ここで「やっぱりデアリングタクトは強いな」という余韻を残して引退でも良いのではなかろうか。まだ走るから、と使い続けてサンエイサンキューみたいなことが起こってしまっては悲しすぎる。ましてや三冠馬

 夜のワールドカップ日本代表対コスタリカ代表の試合は、最初から最後までジリジリしっぱなしというか、もし日本代表の試合じゃなかったら、途中で観るのをやめていただろうと思う。僕はサッカーには詳しくないので、誰が、何が、というのは書かないが、ドイツ戦で「勝てそうになり、全力を尽くして勝った(そして、怪我人も出たし、疲労も残った)」ことが、コスタリカ戦の結果につながっていたような気がする。僕自身が部活で弓道をやっていて、団体戦では1人4射ずつ引くのだが、3本続けて的中したり、前の人からずっと的中が続いていたりすると、緊張して失敗しまくっていたことを思い出した。「うまくいっている状況」って、かえって、「ここまできて失敗したくない」と集中力を乱したり、チャンスを活かさなければ、と意識しすぎたりするのだ。もちろん、世界レベルのサッカー選手と僕を比べるのは失礼ではあるし、ドイツ戦だって、「勝ったけれど、全てがうまくいった結果」でしかなかった、とも言える。浅野の逆転シュートなんて、あの場面で、あの角度からあんなに完璧なシュートなんて、代表クラスであっても、そうそう決められるものではなかろう。森保監督の選手交代にしても、あの試合は前半終了時1点差で負けていたから、攻撃的な選手を起用する以外の選択肢がなかっただけ、とも言える。
 せっかくここまできたのだから、なんとかならなかったのか、という無念さと、勝負事ってこういうものだよな、と、なんだか冷めた気分とが入り乱れる。ああ、パチンコのガンダムUCで確変即落ち450発みたいな気分だな、とか、思っていた。

 フル・フロンタル「人がどれだけ足掻こうと、結末は変わらない」。

 ワールドカップで日本がドイツに勝つことに比べれば、コスタリカに負けることのほうが、「ありがちなこと」だよなあ。
 
 いや、まだ結末は出ていない。それこそ、日本がスペインに勝ったり、ドイツとコスタリカが引き分けたりする可能性は十分にある。
 強者にとっても「勝って当たり前」だと周囲が思い込んでいる試合に勝つのは、本当に難しいことなのだ。
 予選リーグの最終戦まで楽しませてくれるだけでもありがたい、とも言える。僕はお金を失うわけでも、痛い思いをするわけでもないし。ABEMAのワールドカップ中継で急騰したサイバーエージェントの株価は、これで下がりそうだが(実際に下がった)。


 でも、やっぱり無念だ。