じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

エンターテインメント作品の「面白い」「楽しい」というのは、不思議なものだと思う。


 2月最後の日曜日。パンサラッサがサウジカップ優勝というニュースで目が覚めた。
 パンサラッサは海外でもG1を勝っているし、昨秋の天皇賞では大逃げで盛り上げての2着。とはいえ、いきなりダートの、世界最高賞金のレースで勝ってしまうとは思わなかった。賞金13億円で、日本馬の歴代賞金獲得額の第3位になったとのこと。偉業だし、矢作厩舎の挑戦する姿勢が実ったのだろう。とはいえ、レース映像をみると、なんか淡々と逃げ切ってしまったな、と感じた。まあ、結果を知ってから見たら、逃げ馬が勝つレースはそういうものではあるのだが。

 お昼くらいまで、『ファイアーエムブレム エンゲージ』をやろうかと始めたところ、どっぷりとハマってしまい、結局自由に使える時間はずっとやってしまった。難易度ノーマル、戦闘中に死んだキャラもステージクリア後に生き返る「カジュアルモード」を選んだのだが、それだと途中で詰まってしまうこともなく、ストーリーが進んでいく。ストーリーは無茶苦茶だし、君たち「高貴な人」好きすぎだろ、と言いたくなるし、途中から加わるキャラクターが全般的に強くて、気合を入れて育成する人でないかぎり、初期からのメンバーの出番がない、一部の兵器の威力が理不尽、など言いたいことはたくさんあるのだが、遊んでいるとなんだかやめられなくなってくるゲームなんだよなあ。エンターテインメント作品の「面白い」「楽しい」というのは、不思議なものだと思う。ゲームバランスがおかしい、なんだこれ、と投げつけたくなるようなところ(『ドラゴンクエスト2』のロンダルキアの大洞窟とか「すいもんのカギ」とか)のほうが、あとで「いい思い出」になっているものなのだ。小説でも、あまりに上手くて、伏線がバッチリ回収されているような作品は「読まされている」ような感じですぐに忘れてしまって、「あの人は結局どうなったの?」「なんでアイツのほうが勝つんだ?」というような「余白」「疑問」があるほうが、記憶に残りやすい。とはいえ、あまりにもおかしいと論外なので、そういう「匙加減」に作者のセンスがあらわれるのだろう。

 まあ、あまりお金を使わなかったことだけは褒められる一日だった。最近想定外の出費が多すぎて悲しくなってくるので。


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