8月12日。『山の日』の振替休日。
職場はお盆休みがない(病院はだいたい、カレンダー通りか13から15まで休日体制か15日だけ休みかの3派に分かれる)。
この時期になると、大学病院で研修していた30年近く前に、お盆の研修医控え室で「今日はなんかヒマだねえ」と同僚と久しぶりにのんびりしていたのを思い出す。急患以外はお盆に外来の予約や検査を入れたがる人は少なかったのだ。これなら休みでもいいんじゃない、とか話していると、ひとり、またひとり、急患の入院で呼ばれて部屋を出ていった。人はお正月でもお盆でも、ワールドカップの日本戦の試合中でも、急病になるときはなる。
少しは夏休みらしいことをしようか、と電車に乗って博多に行き、映画『ぼっち・ざ・ろっく Re:Re:』を観てきた。近所には上映館がなかったので。
この20年、『エヴァンゲリヲン新劇場版』の第1作くらいから、社会は、大人のおっさんがアニメ映画を観ることに、優しくなっていった気がする。
とはいえ、若者で盛り上がっているかもしれない時間帯はリスキーだと判断し、午前中の早い回へ。
上映時間が80分もないこともあり、なんだかあっという間に終わってしまったけれど、上映時間以上に、時間が短く感じるくらいに楽しかった。
ぼっちちゃんこと、後藤ひとりは、確実に社会性をあげているのだが、周りが盛り上がって、自分に注目が集まったときに、勝手にプレッシャーを感じて、「面白いこと」をやろうとして、「ズレた、変なこと」をやってしまうのは、陰キャあるあるで、観ていて昔の自分の同じような行動を思い出さずにはいられない。
ぼざろは楽しい。キャラクターだけではなく、演じている声優さんたちがどんどん人気になっていく、それも四人とも仲良さそう、というのも好感度が高い。
その一方で、僕はもし自分が高校くらいのときに、この作品に触れていたら、「なんのかんの言って、キラキラしてるじゃねえか、何が青春だよ、ケッ!」と拒絶していたのではないかと思う。
今はもう、彼女たちの親世代の中高年なので、もう自分には実現不可能な世界なので、かえって受け入れやすい、嫉妬せずに楽しめるのも事実なのだろう。
お盆休み期間中の博多駅は本当にすごい人だった。久しぶりに大きな書店の漫画コーナーに行ったのだが、探していた本は見つからなかった。ただ、世の中にはこんなに異世界転生ものがたくさんあるのか、と驚いた。そして、中高生くらいが連れ立って、お互いの漫画の知識を語り合っているのを聞くともなく聞いて、時代は変わっていくけれど、人間がやることは40年前とそんなに変わらないところもあるんだな、と思った。
漫画はもう、電子書籍で読む人が多い時代なのかもしれないが。
人混みと猛暑で疲れたので、いちばん行列が少なかったラーメン店で食事をして、昼下がりには帰宅。あとは、また明日から仕事めんどくさいなあ、と思いながらYouTubeでとりとめなく動画サーフィンをして、寝る前に読みかけの本を読み終えて、眠剤を飲んで寝た。

