じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

黒田さん、本当にすみません。

日本シリーズ第3戦。
黒田は1点先制されたものの、エルドレッドの2ランで逆転し、そのまま試合は中盤へ。
黒田さん最後のマウンド、ということでもっと感傷的な気分になるかと思ったのだが、黒田さんのピッチングがあまりに素晴らしく、感傷に浸るよりも、見惚れてしまった。
直球系は140キロ台後半出るし、変化球のコントロールも絶妙。
ごく普通に抑えているみたいで、こちらも引退のことはあまり意識せずに「今日のピッチング」を、ただ、観ていた。


ところが、ここまで2打席打たれていたO谷(ニヤニヤ野郎)をようやく打ち取った6回裏2アウトで、黒田は異常を訴えてベンチへ。
一度はマウンドに戻ってきて投げてみたものの、やはり無理だということで降板。
ピッチャーはヘーゲンズに交替。
黒田は、これが最後の登板になるかもしれないのに、スタンドのカープファンに顔を向けたり、帽子を取ることもせず、悔しそうに黙ってベンチに下がっていった。
真剣勝負の最中に、自分の最後の登板(になる可能性が高い)からといって、特別なことはしたくなかったのだろうと思う。
一度マウンドに上がったのは、ヘーゲンズが肩を作るための時間を稼ぐ意味もあったのではないか。


そのあとは、実にくだらない試合だった。
ファウルボールしか打つ気がない日本ハムのバッターにジャクソンが投げたボールは2球もストライクがボールと判定されてホームチームびいきのフォアボール、ニヤニヤ野郎敬遠のあと、中田の場面で、守備固めされていなかったレフトに飛んだボールを松山が後ろにそらして逆転された。
9回、ノーアウト3塁からエルドレッド、松山が全く役に立たず、安部が意地を見せてくれたものの、最後は大瀬良があのニヤニヤ野郎に打たれてサヨナラ負け。
まあ、あのニヤニヤ野郎の顔ばかり映しているテレビ局にも問題があるのだろうけどさ。
試合中ずっとムスッとしているのも変だしな。
でも、もうアイツの顔も見たくないのは事実だ(わざとファールしか打たないヤツも)。


8回に守備固めをしなかったのは、9回の表に松山に打席が回ってきそうだから、せっかくだから打たせてから変えよう、という気持ちがあったのだろうし、最後のニヤニヤ野郎の場面も、せっかく2ストライクまで追い込んでいるのだから、と欲が出てしまったのだよな。
そういう「ちょっともったいない」とか、「せっかくだからあと一人」みたいな気持ちが、致命的な敗北につながるのは、よくある話だ。


もちろん、すべては結果論だ。
だが、本当に競り勝ちたいのであれば、1点差を守りきりたかったのであれば、来るかもしれないチャンスや取れるかもしれない追加点よりも、少しでも相手に点を与える可能性を下げる手を打つべきではなかったのか。
何よりも、黒田のあの力投を、最後になるかもしれないピッチングを、「ニヤニヤ野郎すごい!」で語られる試合にしてしまったのは、あまりにも情けない。


安部の同点打は嬉しかったんだけど、今シーズンの阪神戦で土壇場の同点ツーランを放ったにもかかわらず、安部がエラーして負けた試合を思い出した(今日はエラーしてないが)。
同点までじゃ、ダメなんだ。とくにビジターでは。


大瀬良、今日は本当に素晴らしいピッチングで、観ていて、「今年は怪我もあったけど、これは一昨年あたりの良いときの大瀬良だ。すごいストレートだ!ようやく大瀬良が戻ってきた!」と感動していたのに、なぜか今日も負け投手になってしまった。
どうも大瀬良には大事な場面でのツキが足りない。
マエケンと同じで、大事なところで起用されることが多いからなのかもしれないけれど。
そして、今日はその壁をぶち破れる投球内容、だと思ったのだが……


ニヤニヤ野郎を敬遠したらN田が怒って打つし、それではとニヤニヤと勝負したらやっぱり打たれるし。
今日はすべてが裏目裏目。なんかもう処置なし、という感じ。


悔しくて眠れない。黒田さん、本当にすみません。ほんと、N田もニヤニヤ野郎もこんな試合で打つなよ、そして、ジャクソンも打たれるなよ、松山、突っ込むなら取れよ。
大瀬良は、お祓いに行ったほうがいい。