じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

信繁ときりの一度だけの抱擁のために、『真田丸』というドラマはつくられたのではないか、と思った。

 今年の日曜日も今日を含めてあと3回。
真田丸』も第49回「前夜」。
 いつも大河ドラマだったら、もう少しここを強調しそうな大坂夏の陣なのだが、この『真田丸』では、今回と最終回の2回で描かれてしまうのか。
 もうちょっとじっくりやってもよさそうな気がする、というか、豊臣家よりも武田家の滅亡のほうが、熱心に描かれているようにも思われる。
 三谷さんは、真田信繁の人生を「悲劇」として描きたくはなかったのかな。
 哀川翔さんの名演と怪演のあいだ、という感じの印象深い後藤又兵衛が、道明寺でついに討ち死に。歴史ものの場合、「ああ、ここで又兵衛がやられる」というのはわかっているのだが、視聴者的にはどうしようもない。途中、「又兵衛さん、それを21世紀では『死亡フラグ』と言うんですよ……」と心の中で呟いた。
 冒頭のキャストのところで、上杉景勝伊達政宗の名前が出ていて、直江兼続はいないんだな、どういう役回りなんだ?と思いきや、上杉景勝徳川家康と語り、伊達政宗は信繁の依頼にこたえて家族を庇護する場面での登場だった。
 上杉、伊達の両将にとっては、この夏の陣は、あまり気乗りしない戦いではあったのだろうな。
 史実でも、伊達家は信繁の遺族を保護したと伝えられている。

 そして、最後のきりとのシーン。泣いた。
 観ている側としても、これまでのさまざまな思いが満たされたというか、この一度の抱擁のために、このドラマはあったのではないか、とさえ感じた。
 「ここに戻ってきます」と言う「きり」に、「お前は死ぬな」とは、言わないんだよね、信繁は。


 香港カップが引退レースとなったモーリス、本当に強かった。
 スタートで後ろからになったときには、これは厳しいな、と思ったのだけれど、終わってみればそのスタートもラストランをドラマチックにするための演出だったのではないか、と勘ぐってしまうくらいの圧勝劇。
 最後まで、底知れない馬だったな、モーリスは。

 25時に就寝。