じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

これだけの栄光を積み重ねながら、まだ「ただの九段」として闘い続けようとする羽生善治さんという人が、ちょっと怖くなった。

 今日がクリスマスなのだが、基本的にいちばん盛り上がるのはイヴだし、朝から普通に仕事だしで、もうクリスマスムードもほとんど無くなってしまった。
 午前中から普通に仕事をして、遅番も終えて、19時近くに帰宅。
 『ゲームセンターCX』の新しいDVDボックスの『サルゲッチュ・ディレクターズカット版』を息子たちと観て、ケーキの残りを食べて過ごした。
 ケンタッキー・フライドチキンやケーキなど、買いすぎたクリスマスの残り物で、けっこう胃が痛くなった。子どもはすぐに欲しがり、すぐに飽きる。そして僕はまた太る。困るよねえ。

 27年ぶりに無冠になった羽生さんは、本人の希望もあって、「九段」と呼ばれることになったそうだ。
 羽生さんは、永世のタイトルをたくさん持っており、現役でも「十九世名人」などと名乗ることも可能だそうだが、本人はそれを望まなかったらしい。
 これを聞いて、僕はまだ羽生さんが現役棋士として、タイトル奪還も含め、「やる気」であることを感じて、ちょっと嬉しくなった。
 それと同時に、これだけの栄光を積み重ねながら、まだ「ただの九段」として闘い続けようとする羽生さんという人が、ちょっと怖くなった。
 48歳という年齢は、棋士としてはピークを過ぎていると考えるべきだろうし、羽生さんと同世代の森内さんは早々にフリークラスに転出してしまったけれど、羽生さんは、やっぱり、特別な人なのだろうと思う。その実力においても、将棋に対する執念においても。
 実際は、もう将棋以外の仕事、講演とかタレント活動みたいなものでも、十分食べていけるのかもしれないけれど、本人は無冠になったことで、かえって、挑戦者として新たな気持ちでやれると思っているのではないか。

 正直、あまり勝てなくなっても現役にこだわる羽生さん、というのも、あまり見たくない気はするのだけれど。
 でも、キング・カズ加藤一二三さんのように、かつてのスターが、とことんまで現役にこだわると、それはそれで、「価値」を見出されるようになるのも世のならいではある。


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超越の棋士 羽生善治との対話

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決断力 (角川新書)

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