風邪をひいていると、ダラダラと症状が続く中で、突然、「起きたら、なんか良くなったな!」という日がくることがある。今朝はまさにそんな感じだった。
もちろん、100%本調子ではないが、ファミコン版ダビスタでいえば「毛ヅヤもガラッと良くなって だいぶ調子が戻ってきました」というところか。
年々、こうなってくれるまでにかかる時間が長くはなってきているものの、ようやく少し落ち着いた。
第156回「芥川賞」は山下澄人さんの『しんせかい』 「直木賞」に恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』。
両賞とも大本命と目されていた人の単独受賞で、これはこれでちょっと珍しいような気もする。
競馬と一緒で、抜けて人気になっている、単勝一番人気、二番人気の馬連というのは、蓋を開けてみると、意外とそれでは決まらないものなのだ。
『しんせかい』は未読なのだけれど、『蜂蜜と遠雷』はとにかく評判が良いし、僕も傑作だと思う。ただ、ちょっと長過ぎてダレる。
今回は、冲方丁さんや森見登美彦さんも、それぞれ二度目の候補となっており、『直木賞』と『本屋大賞』のノミネート作がどんどん近づいてきているように見える。
どちらかというと、『本屋大賞』のほうが、保守化しているというか、「書店員さんに人気の作家」推しになってきているのではないか、という気がするのだ。
文学賞という権威に対抗するため、書店員、読者寄りの賞だったはずなのに、その賞に価値が生まれると、なかなか自由ではいられなくなるのだろう。
でも、『蜜蜂と遠雷』は、二冠もあるかもしれないな。
受賞会見の恩田陸さんが本当に嬉しそうで、僕もみていてちょっと嬉しくなった。
もう「ノミネート卒業」の存在なのかと思いきや、6度目でついに大願成就。これだけの実績と人気があるのに、なぜか若手に先をこされてしまったなかで、よく辛抱してきたものだ。
辛抱といっても、選ばれる賞だから、自力でどうにかなるってものでもないし。
ただ、この『蜜蜂と遠雷』という、恩田作品のなかでも「万人向けで、わかりやすく、面白い小説」が受賞作となったことは、恩田さんの今後にとっても、良かったのではなかろうか。
直木賞に関しては「前回候補になった作品であげておけばよかったのに」と思うことが多いのだけれど、今回は、結果的に「ジャストタイミング」になった。
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