じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

ブラジル代表 vs コスタリカ代表の思いがけない激闘

 すっかり帰るのが遅くなってしまった。
 夕食後、本を読みながらワールドカップのブラジル対コスタリカ戦を観ていた、というか、まあ、ブラジルが勝つだろうけど、音くらい流しておくか、という程度の熱意しかなかったのだが。
 ところが、試合はコスタリカゴールキーパー、ナバスのスーパーセーブ連発とコスタリカの堅守もあって、0−0のまま前半を終了。ナバス選手って、レアルマドリードの正GKなんだよなあ。そりゃすごい。ブラジルのシュートがみんなキーパーの正面に飛んでいるのは、運ではなくて、そこに打たせるようなディフェンスをしている、ということらしい。
 後半は、さらにブラジルの猛攻が続いたのだが、ひたすら耐えるコスタリカを観ているうちにどんどん情がうつってきて、なんとかコスタリカがしのぎきれますように、とハラハラしながら観ていた。読書のBGMのつもりが、もう本をめくる手は動かない。
 後半34分頃、ペナルティエリア内でのプレーに対して、ブラジルにPKが!
 ああ、コスタリカもがんばったけど、これで万事休すか……スローVTRでみると、反則とは言えないような気がするのだが……
 ここで、今大会から採用された、VARが発動。主審が映像を確認しに行って、出た判定は、ノーファウル。PKは取り消しになった。まさに、VARが試合を大きく左右する場面を見た。この試合の主審の采配はなかなか見事なもので、この場面で「判定を覆す」というのは勇気が要ることだと思うのだが、VARでの評価を受け入れ、毅然とした態度ですぐにPKを取り消したのには、すごく好感が持てた。VARはすぐれたシステムだけれど、こういう反則かどうか、という判定は、現時点では、最終的には人がやらなければならないことではあるのだ。
 この主審は、なかなか点が入らないブラジルの選手たちがイライラして暴発しそうになるのをカードを使ったり、あえて試合を流したりしながら、うまくコントロールしていたようにみえた。コスタリカの選手たちがひたすらブラジルの猛攻に耐えて、予選リーグ通過のために献身的に守っていたのをみて、反則や退場で試合を壊さないように、大事に捌いていたのではなかろうか。
 後半の45分を終えても試合は0−0。
 これは、コスタリカが引き分けに持ち込んだのではないか……と思う時間帯が、やっぱり危ないんだよね。
 後半46分、ブラジルがコウチーニョのゴールでついに先制し、試合終了間際には、意気消沈したコスタリカのゴールに、ネイマールが追加点を叩き込んだ。
 2−0で、ブラジルが今大会初勝利。
 だが、僕にはコスタリカの健闘がとても印象に残る試合だった。ブラジル相手に、本当によく守ったし、戦い抜いた。
 ネイマールが、試合終了後に涙を流していて、ブラジルのエースにも、サッカー王国であるがゆえのプレッシャーがある、というのが伝わってきた。
 偶然観るともなく観はじめた試合で、こんなに心を揺さぶられるなんて。
 ワールドカップ、侮れず。

 交流戦明け、カープは大瀬良の好投と打線の効果的な加点で8回表まで5-0と楽勝ムード。ところが、そこからが長かった。セットアッパーのジャクソンが打たれ、リリーフした今村も打たれて、5−3まで迫られ、さらに2アウト2塁3塁の大ピンチ。交流戦が終わっても、投手陣の不安定さは変わらず、か……
 正直、同点、逆転を覚悟したが、中崎がなんとか締めてくれて、辛くも交流戦明け緒戦をものにした。大瀬良はこれで10勝目。まだ6月なのに二桁!
 まあ、とりあえず、勝てて本当によかった。そして、なんのかんの言われつつも、中崎がクローザーを続けている理由がわかる試合だった。


丸腰国家 扶桑社新書

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