水曜日。久々にある処置をしたのだが、途中で腰が痛いというか重くなってきて、けっこうつらかった。
これが加齢というものなのか……外科医はもっと長時間、立ちっぱなしで繊細な手技をやっているわけで、きついだろうなあ。
若かりし頃は、なんでこのくらいで腰が痛くなるのだろう、と疑問だったのに。老眼も出てきているし、人生の高度が下がってきているのを痛感する。できれば、墜落ではなく、ソフトランディングしたいものだが。
カープの緒方監督のお父さんが亡くなられた、というのをみて、「ああ、これで今夜は、親の死に目にも会えなかった監督の『弔い合戦』みたいな感じになるのかな」と考えていた。そこで、合戦相手にされてしまう中日は、ちょっと気の毒だな、とも。
しかしながら、緒方監督は高ヘッドコーチにチームを託して、実家に帰ってお父さんを弔う、とのことで、僕はちょっとホッとした。昔から、「役者は親の死に目にも会えない」みたいな慣習は、苦手だったのだ。そもそも、「親が亡くなっているのに舞台に上がっている人」を、観客はどんな顔をして観ればいいのか。とても、「楽しむ」気分にはなれまい。
以前、黒田博樹さんの著書で、黒田さんのお父さんの病状が悪化した際に、「当時は外国人のマーティ・ブラウン監督だったので、実家に帰ることができた」というのを読んだことがある。もちろん、日本人監督なら、全員が「それでもマウンドに上がれ」と言うわけではないだろうけれど、日本の社会全体でも、けっこう最近まで、「家族が危篤でもチームや仕事優先」みたいな風潮はあったのだ。
緒方監督が不在の試合、カープは大瀬良の力投で3-1の勝利。ヒーローインタビューで、大瀬良に鈴木誠也らがウォーターシャワーを浴びせ、球場は盛り上がっていた。こんな日だから、あえて、明るく振る舞って見せたのか、それとも「平常運転」だったのか。指揮を託された高ヘッドが「勝ってゆっくりお父さんを見送ってもらえると思う」とコメントしていた。
「カープは家族」。新井さんが昨年、何度も口にしていた言葉だけれど、銭ゲバの巨人への移籍で、「家族なんてこんなものだよな」と僕は失望してもいたのだ。家族っていっても、しょせんは他人だよな、って。
だが、今日、緒方監督がちゃんと実家に帰り、チームが浮足立つことも、沈鬱になることもなく試合をしたのをみて、「ああ、これはやっぱり『家族』だよなあ」と、あらためて思い知らされた。
たぶん、チームの状態が良いというのも大きいのだろう。1か月前、エラーに投壊で「緒方監督、休養か?」なんていう話が出てきた時期であれば、もう少し、違った様相になっていたのかもしれないし。本当は、チームが最下位であっても、「それはそれ、これはこれ」で、サポートしあうべきなのだし、カープも、そうしただろうとは思うけれども。
いまのカープの強さの理由を感じることができた夜だった。負けていたら、「こんな日に負けるなんて!」と思ってしまうのも、ファンというものではあるのだが。
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