じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

久しぶりに立川談春さんの落語を聴きに出かけた。


 もう11月も3分の2が過ぎた。

 午後から、久しぶりに落語を聴きに出かけた。立川談春さん。コロナ感染拡大以来はイベントにも全く行っておらず、最近になってようやく出かける気分になってきた。というか、楽しみにしているはずなのに、直前になったらめんどくさいなあ、みたいな気分にはなるのだけれど。
 今回の会場のなみきスクエアは、建物の入口から会場までが近くて助かった。

 4年ぶりくらいに聴いた談春さんは、相変わらずの凛とした佇まいだった。座っているのを見るだけでも、なんだか得したような気がする。世間話や落語というものの解説、師匠の立川談志さんことなど、噺への導入部のマクラがすごく楽しい。そこから、いつのまにか噺に入っていくのも心地よい。
 「(師匠の立川)談志という人は、人生や芸では弟子を追い込むということを一切しなかった」
 本当にすごい人というのは、パワハラモラハラ的なことをしないのか、談志さんは「自分は自分、弟子は弟子」と突き放していたのか。だとしたら、それは尊重なのか諦めなのか。その話を聞きながら、「じゃあ、それ以外のところで弟子を追い込むようなところがあったのだろうか?」とも考えていたのだけれど。

 天才というのは、存在しているだけで、同業者を「追い込む」ところもあるし、談春さんは、談志さんが亡くなったあとに「談志っぽいところがあるのは談春だ」と後継者的にみられ、期待されたことへのプレッシャーも口にしておられたけれど。
 後半の噺、どこかで聴いたことがあると思ったら、『明烏』だった。そんなに落語を聴いているわけではないのに、同じ噺にあたってしまうとは。いや、それでもちょっとした仕草が楽しいし、こうして落語を聴けているだけで、幸せな気分ではあったのだけれど。
 そもそも、僕が行くような初心者向けの落語会での談春さんの鉄板ネタが『明烏』なのかもしれないな。
 談春さんも、地方自治体主催の落語会なので、初めてのお客さんが多いのではないか、常連さんは「アイツ今日はえらく丁寧にやってるな」と思ったのではないか、と言って笑いをとっていたし。

 とりあえず、少し僕なりの日常を取り戻した気分になり、家に帰ったのだが、その後いろいろあって、夜はひどく落ち込んだ。マイルCSも「これだけプラス材料が揃っていれば3着以内には」と思ったシュネルマイスターの複勝で勝負したら不完全燃焼な競馬で5着だった。何それルメール。気持ちが沈んでいるときのギャンブルはロクなことがない。
 
 何をやってもうまくいかない日曜日の夜で、眠剤を普段の倍(といっても常用量)飲んで、さっさと寝た。ダメな日は、それしかできることがない。


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