仕事の合間に、WBC準決勝、日本代表対アメリカ代表の試合の経過を確認していたのだが、日本が1点先制されたところで忙しくなってしまったので、残りは帰ってから録画したものを観た。
先制されたのが、あの名手菊池のエラー絡みとは……
その菊池、責任を感じて落ち込んでいるのではないか、これがシーズンに尾を引いたら嫌だな、イップスとかにならなければ良いんだけど……と思っていたら、6回裏に自ら同点ホームランを放って名誉挽回。さすがワイルド菊池!
昔、前田智徳選手がエラーで北別府投手の勝ちを消してしまったあとに試合を決めるホームランを打って、涙を流しながらダイヤモンドを一周していたのを思い出した。その日、前田はヒーローインタビューを辞退した。
WBCの韓国戦で絶不調のなか決勝タイムリーを放ったイチローといい、すごい選手は、自分のミスやスランプも、大事なところでちゃんと取り返すのだ。
試合は、8回の表、1アウト2塁3塁のピンチにサードにゴロが飛び、サード松田が処理を焦ったのかホームには送球できず。まあ、ホームに投げていてもアウトになったかはわからないし、よくあそこであわてずバッターランナーだけでもアウトにした、とは思ったのだが。あの場面では、ね。
試合は接戦の末、アメリカ代表のリリーフ陣の好投もあり、1対2で日本代表は敗れた。
今日の試合に関しては、メジャーリーグで活躍しているピッチャーって、やっぱりすごいな、というのが率直な感想で、監督の采配や個々の選手がどうこう、という気分にはならなかった。
残念ではあるが、納得の負け、とでも言えばいいのか。
すごいピッチャーにすごいピッチングをされたら、好打者でもそうそう打てるものじゃない。野球はピッチャー、だよなあ。
日本の投手陣も、先発の菅野投手をはじめとして、メジャーリーグのスター軍団を相手に、見事なピッチングだった。
ゲストの黒田博樹投手は「4年間ドジャースにいたけれど、雨天中止は一度もなかった」と言っていたのだが、そんなロサンゼルスでの雨中の試合は、日本にとっては、むしろつけいる隙ができたのかもしれない。そんななかで、日本代表のなかでも、土のグラウンドに慣れているはずの名手・菊池がエラーをしてしまったのは皮肉なものだ。
結果論でいれば、8回表1アウト2塁3塁で、1点勝負とみて、満塁策をとるというのもあったかなあ……ただ、打順的にもクリーンアップに入ってくるところだったし、「点を取られて勝ち越されても、まだ2回攻撃がある。1点でも失点を少なくしたい」と考えるのも妥当だろう。
いろいろ言われていた小久保監督だったけれど、今回の日本代表チームは、実力を出し切ったし、「これはおかしい」と言いたくなる采配もほとんど思いつかない。
ただ、今日の準決勝では、相手が少しこちらより強かった。
ヒットはわずかに4本で、点が入りそうな雰囲気は無かったし。
チャンスで、4番・筒香が真ん中付近のボールを思いっきりスイングして打球が良い角度で上がったときには「いった!」って叫んでしまったのだけれど、定位置付近のライトフライ。えっ、あの当たりが、ライト定位置へのフライ?
日本代表の3番を打った青木選手は、現役メジャーリーガーではあるけれど、所属チームでは不動のレギュラー、というわけじゃないんだよね。
松井秀喜選手が中距離打者になってしまうのだよね、メジャーリーグでは。
負けたにもかかわらず、ネットでも「おつかれさま」というコメントが多くて、「なんで負けた」みたいな批判は少ないようにみえる。
「力負け」だけに、諦められるところもあるし、意気消沈してしまう面もある。
それでもここまで食い下がったのだから、今回は大健闘なんだろうけど、メジャーリーグの選手たちが積極的に参加してくるようになれば、日本代表の世界レベルでのランキングは、相対的に下がっていくのではなかろうか。
個人的には、「シーズン開幕前に楽しませてもらってありがとう」だな。
シーズンがはじまったら、カープの選手たちは、菅野や筒香と対戦することになるのか……
- 出版社/メーカー: サンフィールド
- 発売日: 2017/03/25
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る