じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

マツダスタジアムの「幸せな待ち時間」を、画面越しに、ずっと観ていた。

 カープがマジック2なので、なんとなくそわそわしながら過ごす。
 NHKで中継されるというので、夜、テレビの前でマツダスタジアムの広島対DeNA戦を観ていた。
 バティスタのホームランで勝ち越し、継投で逃げ切ろうとした7回表に、一岡が4−4の同点に追いつかれ、8回表には今村のコントロールが定まらずノーアウト満塁に。ああ、これは今日は優勝は無理かな……と思いきや、そこから今村のギアが上がって無失点に抑え、その裏、バティスタがライトに犠牲ライナーを放って5-4と勝ち越し。
 9回表、DeNAの攻撃中に急にスタンドが沸いたので、またウェーブとかやってるのかな、と思ったら、甲子園で巨人が阪神に追いついたという速報が、あっという間に球場中に広がっていったらしい。今日のカープの優勝決定条件は、カープの勝ち、阪神の負けで、どちらかが引き分けでは決まらない。
 中崎は9回の表にロペスをダブルプレーに仕留めて試合終了。
 これで、ついにマジック1。
 それまで、鬼神のような表情でマウンドに立っていた中崎が、勝ったとたんに満面の笑みになっていた。クローザーっていうのは、大変な仕事なんだな。
 今夜、阪神が負ければ、カープの優勝が決まって胴上げ、ということで、球場で甲子園の結果待ち、という珍しい状況になった。
 NHKでは、その「甲子園待ち」の時間も中継してくれていたため、普段みられないような、選手たちの素顔というか、ベンチの雰囲気が垣間みられて面白い。
 エルドレッドがペットボトルの水を手に、大瀬良とニコニコしながら談笑していたり、新井選手が、こういう状況でなければヒーローインタビューを受けていたはずのバティスタ選手に何か声をかけていたり、胴上げのために来ていた赤松選手をみんなが囲んでいたり。
 数十分くらいの「結果待ち」の時間だったけれど、画面から伝わってくる選手や首脳陣の様子からは、チームの良い雰囲気が伝わってくる。
 「チームが勝って、胴上げ待ち」なんて、険悪な雰囲気になりようがないだろうけどさ。


 甲子園は2-2のまま、巨人が12回表に無得点だったことで、今日の優勝決定はなくなり、選手たちはもう一度グラウンドに出て、ファンに挨拶をして引き揚げていった。
 赤松選手の姿に、一際大きな歓声が湧いていた。
 2年前は、Bクラスに沈み、本拠地最終戦にもかかわらず、監督からファンへのメッセージもなく、罵声が乱れ飛んでいた緒方カープも、こうしてファンと意思疎通ができるようになったことが嬉しくなる。
 監督が変わったから、チームが強くなったのか、チームが強くなったから、監督も変わることができたのか。
 
 結局、今日はゴールテープを切ることはできなかったが、試合中にはみられない選手たちの様子をじっくり眺められて、カープファンとしては興味深い中継だった。
 さすがにここまで来たら、リーグ優勝は堅いだろうから、チームが勝って先延ばしになるのは悪い気分じゃない。
 ……のだけれど、今日はソフトバンクが勝ち、楽天が負けて、パリーグソフトバンクのマジックが1に。
 明日はカープソフトバンクも2位のマジック対象チームも試合がないので、明後日、16日にセパ同日優勝の可能性が高まってきた。
 うーむ、九州在住のカープファン的には、非常に嬉しくない展開だな……
 同じ日に決まったら、普通に考えても、スポーツニュースや新聞で扱われる時間は半分になってしまう。
 ましてや九州、ソフトバンクのお膝元では、カープが優勝した日に「ホークス優勝特番」を延々と見せられることになるだろう。
 ソフトバンクに恨みがあるわけじゃないので、別日だったら、全然構わないんだけど……
 パリーグに関しては、負けそうな気がしないソフトバンクが負け、すっかり調子を落としている楽天が勝つ、というのがともに成立するとは考えにくい。
 セリーグも、カープが勝つか、阪神が負けるかの結果になる確率は高そうだ。
 決まっていたら、明日は試合がないので、今夜はとことん飲めただろうにねえ。
 僕もとりあえずビールとおつまみを準備していたのだが。
 まあ、ニコニコしながら「ざんねんっ!」と言える今夜のような状況は、人生にそんなに無いような気もするな。


「中国新聞カープ検定」公式テキスト

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