じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

新型コロナの感染拡大の要因は、東京だけが「電車社会」だからではないのか。

 2021年初出勤。会う人ごとに「あけましておめでとうございます」と挨拶するのが、年々めんどくさくなっている。なるべくさらりと日常業務に入りたいところではあるが、どうしても挨拶しなければいけない人というのもいるわけで。1月4日は、まだ休みの人も多いらしく、そんなに忙しくない……はずだったのだが、急患で午後は少しあわただしかった。
 市場は今日が1年最初の取引の大発会だったのだが、新型コロナウイルスの感染者激増の影響もあって、様子見ムードが漂っており、185円安となった。正直、もっと下がるのではないかと思っていたのだが、コロナで飲食店関係者が悲鳴をあげている一方で、株価は相変わらず高水準で推移している。政府の経済対策も株価を維持することを優先しているようにみえるのだが、仕事を失い、生活に困っている人は株式投資で儲ける余裕なんてなく、お金が有り余っている人たちは、コロナもチャンスとばかりに、儲かる投資先を探している。首都圏では、また緊急事態宣言が出されようとしているのだが、本当に飲食店が感染を拡大する要因になっているのか疑問なんだよなあ。飲食店なんて日本中にあるのに、首都圏に感染者が集中しすぎている。もともとの人口と検査数が多い、というのもあるのかもしれないけれど、日本のなかで首都圏に集中しているもの、と考えると、やはり、通勤時の満員電車の影響が大きいのではなかろうか。首都圏の人たちは、電車で移動するのが当たり前だと考えているけれど、実際は、日本のほとんどの地域には、あんなすし詰めの満員電車は存在しないし、地方では車中心の生活で、電車に乗るのは月に1回、なんて人ばかりなのだ(僕もそんな感じ)。


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この本には、こんなデータが紹介されている。

 皆さんは、1週間に何回くらい電車に乗るかを考えてみてほしい。
 電車で通勤・通学をしている人は、少なくとも往復で5日間、計10回くらいは乗っているのではないか。都内に住んでいる方は、まさか10回なんかじゃ済まないぞ、と思った人も多いかもしれない。一方、電車は遠出をするときぐらいで基本はクルマだ、という方ももちろんいるだろう。
 まず、リアルのデータから見ていこう。次のチャートは、ひとりが1年間に電車を利用する回数を横軸、マイカー通勤・通学率を縦軸にとり、47都道府県をマッピングしたものだ。
 このグラフから一目瞭然だろう。東京だけが、他の都道府県と大きく離れて右端に位置し、孤立している。マイカーと比較して、電車比率の度合いが著しく高いのである。
 これは、東京がいかに極端な「電車社会」であるかを示している。神奈川や大阪など、関東・関西の主要府県の人は、東京と同じようなライフスタイルである印象を持つ方も多いかもしれない。だが、実際に赤ちゃんからお年寄りまでの全年齢の平均的な電車利用回数を見てみると、東京の人は年間800回以上(1週間に15回以上!)も電車を利用しているのに対し、神奈川や大阪の人々の電車利用回数は、400回以下と、東京の半分にも満たない。
 その他の残りの大半の数は、クルマがメインの生活だ。電車には年に数十回乗るかどうかという程度であり、東京の10~100分の1に過ぎない。
 電車とクルマの利用度という観点から見るならば、日本の都道府県は、(1)圧倒的な電車社会である東京、(2)電車とクルマを併用する関東・関西の主要7府県、(3)クルマ社会である残りの大半の道県と、3つのグループに大別されることがわかる。
 しかし、やはり(1)と(2)の間の差は大きく、東京の異常性が突出していると言える。


 正直、同じ日本であっても、「東京は特別」なのかな、と思ってしまう。東日本大震災のときも、東京で電車が止まるというニュースは、福岡でも全国のトップニュースとして流れていたものなあ。福岡で電車が止まっても、東京でそれが大々的に報じられることはないだろうに。