じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

僕が休日にちゃんと休めるようになってから、まだ3年くらいしか経っていないのに。

 今年もあと3日。仕事納めは30日までなので、まだまだ仕事だ。ただ、28日に仕事納めになる公立病院に勤めていたことがあるのだが、そこは救急車が容赦なく来る病院だし、休日・深夜の呼び出しも頻繁だったので、名目上は休みでも、ずっと緊張が続いていて、気分がささくれ立っていたような記憶がある。日当直もだいたい1回は当たっていて、ほとんど休めず、重症の患者さんが来て、その後の休みも消失、ということが多かった。当直の数日前くらいから、「ああ、もうすぐ当直……」と憂うつな気分になっていたしなあ。
 人というのは、自分がその渦に巻き込まれていなければ、同業者であってさえも、「若いんだからがんばれよ」みたいに突き放してしまうものなのだ。今の自分は、そんな時代を忘れたかのごとく、「なんで30日まで仕事なんだよ……」とか思っているし。僕が休日にちゃんと休めるようになってから、まだ3年くらいしか経っていないのに。
 今年は新型コロナウイルスのこともあり、救急病院はさらにキツい年末年始になりそうだ。政治家が急に亡くなった事例があって、「どうしたらいいですか?」とのタレントの問いに、「少しでも異変を感じたら、病院を受診するしかないでしょうね」と、出演していた医者が歯切れ悪そうにコメントしていたけれど、これでまた新型コロナウイルス検査希望の人が増えそうだ。しかし、あの事例は、すぐ病院を受診していても救命できていたかどうか。その医師も「血栓が肺か脳に詰まったのではないか」と推測していた。正直、その人の運命というか、本人や医者が適切な処置をしていても、どうしようもなかった、ということは少なからずあるし、それで誰かを責めても誰も救われないと思うのだが。

 2020年競馬界最後の大レース、東京大賞典は、気がついたらもう終わっていた。オメガパフュームがこのレース史上初の3連覇。大井のオメガは強い。ミルコ・デムーロは今月絶不調だったのだが、ここでなんとかチャンスをものにした。そういえば、武豊は今年G1を勝てなかったのだな。ミルコ・デムーロが、インタビューで、「ここは相手が弱かったので」と言っていたことに少し驚いた。いやその通りではあるけれど、それを口にするのはすごいな。レースに勝ったあとだから、まあいいのか。
 明日の予報は、午後から雪。家に帰り着くまでは、ひどい積雪にならないことを願うのみ。


fujipon.hatenadiary.com