じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

九州国立博物館で、「特別展『北斎』」を観てきた。

 「特別展『北斎』」を観るために九州国立博物館へ。


www.kyuhaku.jp


 まだ身体は絶好調には程遠いのだが、期間が次の日曜日(2022年6月12日)までで、最後の土日は大混雑しそうだし、明日の金曜日は仕事で遅くなるので、「今日しかない」と覚悟を決めて出かけた。そうは言っても、平日・木曜日の午前中、開館直後なら、そんなに混まないだろうし。

 ……甘かった。平日の午前中というのは、土日に比べたら混雑はマシなのだろうけど、社会見学(?)で観に来る学生たちのゴールデンタイムだったのか……生徒たちが記念写真撮影のときだけマスクを外して、先生が「しゃべるなよ!」と注意しているのを眺めながら、新型コロナもだいぶ落ち着いてきたみたいだな、と思う。むしろ、落ち着いたというか、開き直ったのはみんなの心のほうなんかもしれないが。人数だけでいえば、まだかなりの感染者が出ているわけだし。

 館内はかなり混雑していて、僕は長時間並ぶのにまだ耐えられそうになかったので、最前列からではなく、少し離れたところから作品を眺めていった。こういうとき、30㎝作品に近づくことにどれほどの意味があるだろうか、なんて自分に言い聞かせるのだが、あらためて考えてみると、僕は美術品のどこを、何を観ているのか、と、ときどき思う。

 重要文化財『日新除魔図:にっしんじょまず(宮本家本)』の全編公開がこの特別展の目玉なのだが、個人的には、同じようなキャラクターが延々と並んでいて、途中でちょっと飽きた。いちおう「全部観た」と言うために見た感じ。ゲームのトロフィーをコンプリートするようなものか(僕はトロコンには全くこだわらなくて、早く次のゲームに行きたい)。資料的な価値が高いのはわかるのだが。

 北斎が、代表作『冨嶽三十六景』を描いたのは70歳くらいだった、というのをみて、年を取っても、できることはあるし、できる人はいるのだ、と思い知らされた。老眼にもなっていただろうし、持久力も低下していたはずなのに、すごいよなあ。老眼って、細かい作業をするときにはとくにつらいのだ。
 ただ、『冨嶽三十六景』のうちの一枚を観たときの第一印象は「中学校の美術部の上手いヤツなら、このくらい描けそうだな」ではあった。もちろん、模写とオリジナルは違う、全然違うし、江戸時代後期と現代では、画具の質に大きな差があるのだろうけど。

 やはり、体力が低下していると、人間はネガティブ思考になりやすいらしい。まだ人が多い場所や階段の昇降はつらいなあ、と再確認。
 まあしかし、世界は確実に夏を迎えているし、団体行動ではしゃいでいる学生たちは、僕がそうだった時代とあまり変わらないようにみえた。違いは、みんなスマホを持っているくらいかな。

 とりあえず一仕事して疲れ果てたので、あとは家でぐったり。
 夜、思いついてブログを書いたら、眠剤を飲んでも眠れなくて、ようやく寝付いても1時間おきに目が覚めて、もしかしたら、何度も夜中に目が覚める夢をみていたのかもしれない。
 まとまった文章を書くというのは、僕にとってはかなり脳内麻薬を分泌する作業のようだ。やりすぎ注意。
 あと、そろそろ『Fit Boxing2』も再開しなければ。