じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

藤井聡太王将と羽生善治九段の王将戦第1局をみて、羽生さんの本当の凄さを思い知らされた。


 成人の日の連休も終わり、年末年始モードも最終日。
 今日は久しぶりに病棟から、新型コロナ新規感染の電話もかかってこなかった。
 まあ、いつかかってくるかとずっと気にしてはいたし、子どもたちは冬休みの宿題や休み明けの試験勉強があるので、僕は『スプラトゥーン3』を少しやる……つもりが、けっこうな時間遊んでしまった。でもウデマエはCマイナス。世の中の人たちは、どうしてこんなに『スプラトゥーン』が上手いのか。フェスも今日までかと思ったら、すでに終わっていたし。
 とりあえず明日からの仕事を思って憂鬱になりつつ、部屋の片づけをしたり、Amazon開封していない荷物を確認したりして過ごした。
 僕の場合、ストレスを感じるとネット通販で買い物をしてしまうことが多い。もちろん、ものすごく高いもの、大きなものを買うことはほとんどないのだが、なんとなく安いからと買っていると、すでにiPhoneのライトニングケーブル未使用が10本くらいあるのを発見して愕然とした。テレビショッピングで買い物をしまくる認知症の高齢者とあまり変わらない。Appleはライトニングケーブル廃止に向かっており、いくら消耗品とはいっても、せめてTypeCにしておけよ、と自分にツッコミを入れてみるが、それが本質ではなく、無駄な買い物はやめよう、ということなんだよなあ。そもそも、家が本とゲーム機と段ボール箱だらけになってしまう。

 藤井聡太王将と羽生善治九段の王将戦第1局が行われた。初戦は、羽生さんの角交換という奇襲からはじまったのだが、羽生さんが「悪い手は指していないはず」なのに、藤井王将はそれ以上に悪手を全く指さず、ジリジリと差を広げて危なげなく先勝。
 個人的には、同世代の羽生さんに「なんとかもうひと花!」と思っていたのだが、羽生さんの角交換をみて、「ああ、羽生さんは、『伝説の棋士としての意地』とか『若い力に抗う』とかではなくて、お互いに全力を尽くす舞台で、強敵と面白い将棋を指したい、将棋というものをまだまだ進化・発展させたいのだな」と、自分が感傷的になりすぎていたのを反省した。
 将棋というのは、1局だけの勝ち負けではないし、羽生さんは、「経験」や「実績」を過信せず、これからも自分をアップデートし続け、新しい棋譜を生み出していくつもりなのだ。

 正直、なんとかここで羽生さんに勝ってもらいたい、という気持ちはある。
 それでも、羽生さんの本当の凄さは、すでに「伝説」でありながら、まだひとりの棋士として、もっと強くなれると信じ、努力し続けているところなのだとあらためて思い知らされた気がする。
 おそらく、将棋をはじめたときから「伝説」だった存在と対局して、奇襲にも動じずに勝ち切った藤井王将もすごい、すごすぎる。
 記事によると、序盤の角交換は「以前、似たような形を検討したことがあった」そうだ。
 羽生さんと同世代の僕が子どもの頃にやっていた素人将棋では、「いきなり角交換」って、よくある形だったんだけど。

 明日はコロナの対応に夜は会議と、まったく気乗りしない一日ではあるが、働かないとAmazonにお金を払えないので、明日が来るのは嫌だなあ、と思いながら薬を飲んで24時過ぎに就寝。


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