じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

大川隆法氏の訃報を聞いて、『幸福の科学』で思い出したこと


 平日休みなので、朝から『FIT BOXING2』をやったり、近所のパン屋さんに行ったりして過ごした。
 昨夜は『ファイアーエムブレム エンゲージ』で夜更かししてしまったので、今日はゆっくりして早めに寝よう、と思っていたところに、『幸福の科学』の大川隆法氏の訃報が伝えられてきた。僕は信者ではないし、「霊言」をネタとして消化してきた人間なので、66歳か、まだ元気そうだったのに、というところで思考が終わってしまう。信者ではない人間にとっては、「名前はよく知っているが思い入れは特にない有名人の死」。ああ、人ってやっぱり死ぬものだし、いつ死ぬかなんてわからないよな、とは思う。

 『幸福の科学』といえば、もう10年以上前に外来を受診した30代後半くらいの真面目そうな女性が、診察のあと、「私、こういうものを信じていまして、先生(僕)にもぜひ読んでいただきたいんです」と大川氏の著書を差し出してきたのを思い出す。どうしてこの人は、これを信じるようになったのだろうか、と思いつつ、「僕はとくに宗教は信じていませんので、勘弁してください。ここは病院ですし」と、とりあえず丁重にお断りした。人が何かを信じるようになるには、それなりの理由やきっかけがあるのだろうけど。僕は宗教は信じられないが、それは自分の力ではどうしようもないような絶望に遭ったことがないからなのかもしれない。そして、信じられないがゆえに、自分が死んだら電源が切れたコンピュータみたいに何もなくなってしまう、ということが怖いのだ。今の自分そのものが、誰かがプレイしているゲームのモブキャラの可能性もあるが。

 幸福の科学は大川氏の著書や教義の理解度で教団内でのポジションが上がっていき、ペーパーテストで評価される、というのを聞いた。学校の成績は良かったけれど、社会に出てみると人間関係でうまくいかなかったり、出世できなかったりして満たされない人々が、「テストの結果で自分が偉くなれる教団」にハマっていったのだそうだ。そういうのを聞くと、勉強以外に取り柄がなく、しかもその勉強も「本当にデキる人たちの集団」に入ってしまえば、全く歯が立たなかった僕も、ハマる素養はあったのではなかろうか。これから、『幸福の科学』の教団はどうなっていくのだろうか。なんだかもう最近は、教祖でさえ自分が言っていることを信じていないようにも見えていたのだけれど。あの女性は、まだ信者なのかな。

 パチンコ機メーカーの西陣廃業には驚いた。廃業に、というよりは、西新よりもっと先に潰れそうなメーカーもあるだろうに、という意味で。
 名機といわれる『花満開』を打ったことはなかったが、西陣の台では『CR花満伝説』をいちばん打ったような気がする。最近も『モンキーターン』はけっこう面白かったんだけど。
 パチンコ業界の衰退、客が激減して、残った客からとことんお金を吸い上げている状況を考えると、倒産する前に廃業、というのは、妥当な幕引きだとは思う。1日打てば10万くらい軽く負けてしまうし、大当たりを引くために2時間、3時間も眩しくてうるさい台の前で我慢し続けるのは、もう「娯楽」としてはオワコンだろう。なんだかもう、滅亡寸前の帝国が軍事費のために残った市民に重税をかけている、ような状況だものなあ。


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