第91回アカデミー賞が発表された。
『ボヘミアン・ラプソディ』が何部門くらい受賞するのだろうか、と、ときおり確認していたのだが、結果は、ラミ・マレックさんの主演男優賞をはじめ、編集賞、録音賞と音響編集賞の4冠だった。ツイッターで、「その年、いちばんおもしろかった映画に与えられるのは『編集賞』だ」いうのをみて、なんとなく納得してしまった。
ユーチューバーや『ゲームセンターCX』を観ていると、今の時代、「編集」の力というのはすごく大きいと感じるので。
作品賞は『グリーンブック』。まだ未見なのだが、あらすじを読んでいると『ドライビング・ミス・デイジー』系の「地味だけど誠実な社会派映画」っぽい。こういう、「アカデミー賞を獲ったからこそ、多くの人が観てくれる(であろう)映画」に授賞するのは悪いことではあるまい。でも、「今年の映画は『これ』だよね!」と言い切れるような大ヒット作の作品賞受賞を久しくみていないような気がするのだよなあ。『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』あたりが、僕の記憶では最後ではなかろうか。
ちなみに、アルフォンソ・キュアロン監督が、監督賞を受賞した『ROMA/ローマ』は、Netflixでの配信がメインで、劇場公開はごく小規模、まさに、アカデミー賞の受賞要件を満たすために行われたという映画らしい。僕はこの映画のことを知らなかったので検索してみて驚いた。アメリカでは、ストリーミング配信の作品にお金がかけられ、アカデミー賞を獲った監督や俳優が積極的に関わっているのだ。アカデミー賞が、そういう作品に対しても門戸を開いて、主要な賞のひとつである監督賞を授賞したことは、革命的なことであるのと同時に、「映画産業」が大きな転換点を迎えていることの象徴ともいえるのではないか。
『ROMA/ローマ』は、今すぐにでもNetflixで観ることができるわけで(Netflixに加入しないとダメだけど)、僕も、無料体験で観てみようかな、と思う。これだけ世の中にいろんなコンテンツが溢れていると、とにかく時間が足りないことが悲しい。
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