じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

たぶん、厚生労働省の偉い人たちも、「なんだかなあ」と思いながら通達を出しているのではなかろうか。

 貴重な平日休みなので、朝から映画館へ。
 本年度のアカデミー賞受賞作品『ノマドランド』を観賞。現在、映画館も20時までしか営業できないし、土曜は仕事で日曜日は混むし自分の好きな映画をひとりで観にいくのは難しいので、今日しかない、ということで。
 しかしながら、映画館があまりにも閑散としていて、やっぱりいま、映画とか観るべきではないのかな、とちょっと思った。それでも、館内はひとりぼっちではなく、あと2人いたのだけれど。
 平日の朝というのは、お客さんがいないようで案外いるものなのだが、作品が地味だ、というのはあるとしても、とにかく館内に人が少なかったので、わざわざいま映画を観なくても……ということなのだろうな。
 少し感染がおさまっていた時期とはいえ、コロナ禍のなかであれだけ人を集めた『鬼滅の刃』は凄かったんだな、とあらためて思う。


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ノマドランド』は「ああ、アメリカってこういう国なんだな」と感じる映画だった。日本で車上生活というと、世捨て人的なイメージがあるのだが、アメリカ人にとっては「ノマド」も信仰とかライフスタイルのひとつでしかないのかもしれない。
 
 今日も株価がどんどん下がり、不穏な雰囲気になってきている。新型コロナ禍のなかで、株価がずっと上がり続けていることそのものが異常な気もするのだが、ビットコインにしても、結局のところ、みんなが「買い」だと思っているうちは上がるのだ。逆に、「もうダメだ」という空気になったら、もうどうしようもない。

 新型コロナのワクチン接種を早めるように通達が来ているのだが、大勢に一度に摂取すると、重篤な副作用が発生したときに対応しきれなくなる恐れがあるので、しっかり感染予防をしながら、一日の接種数が多くなりすぎないようにしたほうが良いのではなかろうか。
 僕は患者さんに打つ立場だから真っ先に自分に接種することに異議はないけれど、自分で選べるのならば、争って我先に打つ気にはならない。本当に安全で効くワクチンなのかどうかを評価するには、まだ時間と経験が必要だろうし。
 まあ、政治っていうのは、データや理論的な根拠よりも、「いかにして、ちゃんとやっていることをアピールするか」なのかもしれない。たぶん、厚生労働省の偉い人たちも、「なんだかなあ」と思いながら通達を出しているのではなかろうか。僕が接した「あの人」たちは、とんでもなく賢そうだったから。