じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

東京オリンピック2021の開会式の日が本当にやってきた。

 東京オリンピックの開会日。
 新型コロナウイルスの感染者数は増えているし、こんな中で本当に開催するのか?と怪しんでいるうちにこの日になってしまった感じ。
 個人的には、早出と遅番の両方をやらなければならず、毎週くたびれる金曜日が祝日になってくれて嬉しいが、それ以上の感慨はない。世間は4連休でも、明日は出勤日で夕方まで当番もあるし。

 どうせ明日は仕事だものな、と、なんとなく鬱々として、明日のゴミ収集日に出すペットボトルを洗ったり、YouTubeで釣りやクレーンゲームやマツケンサンバの動画を観て過ごしていたのだが、夜、Twitterのタイムラインが「オリンピックの開会式でゲーム音楽が使われている」というので盛り上がっていて、追いかけ再生でしばらく観ていた。

 オリンピックというのは、世界中のアスリートが4年に一度(今回は5年ぶりになったけど)一か所に集まって栄誉をめぐって勝負する、というイベントなのだけれど、新型コロナの時代、オンライン社会には、もっとも不向きなイベントでもある。
 極論すれば、無観客とか入場制限が加えられるくらいなら、採点競技やタイムを競う競技では条件をなるべくそろえて、各地の会場でそれぞれの選手が競技をして、オンラインで結果を集計すれば済むのではなかろうか。さすがに格闘技系やチームスポーツは無理だろうけど。結局、オリンピックの意義というのは「みんなが集まる」ことにあるし、観客が盛り上がるという「ライブ感」にあるのだよなあ。

 こんなコロナ禍のなかでオリンピックをわざわざやらなくても、とは思うが、始まってみれば案外盛り上がっているようにもみえるし、「どうせやるなら楽しまないと損」という人も少なくなさそうだ。新型コロナの感染予防に関してはマイナスに働くことは間違いないけれど、ワクチン接種もだいぶ進んではきているし、もうこんなに患者が増えたら、どこで感染してもおかしくない。感染した人が差別されるよりは、「まあ、感染することもありますよね」くらいの意識の社会のほうがよさそうにも思う。もちろん、最低限の感染予防にはひとりひとり注意していただきたいものだが。こんななかでのオリンピックなんて……とは思うけれど、過去にはテロが起こったり、政治的な判断でボイコット合戦が起こったりもしているのがオリンピックではあるのだ。新型コロナ禍のなかでの東京オリンピックも、後世の人々にとっては、「そんなこともあったんですね」というだけの話になるのかもしれない。

 はじまったとたんに「もう始まってしまったのだから、もう後戻りはできない。それなら、みんな協力すべきだ」みたいな雰囲気になると、太平洋戦争とかも、こんな感じだったのだろうか、とか、つい想像してしまうのだが。
 なんのかんのいっても、こういう大きなイベントって、始まってしまえばそれなりに話題にはなるんだよね。花博とか「よかトピア」とか、始まる前は「誰が行くんだよあんなの」って言っていても、会期終盤になってくると、「やっぱり行っておかなくては」と人が押し寄せていたし。

 個人的には、オリンピックにはあまり興味がなかったはずなのだが、こうして久しぶりに日記を書いているのも、歴史的なイベントの時期のことを書き残しておこうと思ったからだ。オリンピックの影響で日経平均が上がり、開会式にゲーム音楽が使われたことで、低迷気味のゲーム会社の株価が上がるといいなあ、と、極めて利己的な自分を再発見する日にもなった。


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