じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

「引き際の美学」とは言うけれど、それが自分の番になると話は別なのだ。

 検査があったり、急患があったりと、けっこうあわただしい一日だった。
 新型コロナの第三波でフランスは再度ロックダウンとなるそうで、大統領選をひかえたアメリカでは株価が下がっている。
 『五等分の花嫁』のスマートフォンのゲームが出たので、enishという会社の株を少し買ってみたのだが、ゲームの評判はそんなに悪くなさそうだし、ダウンロード数もランキング上位なのに、後で確認したら株価は少しずつ下がる一方。株はわからん、というか、僕のような素人が上がると思いこむような株を利用して、投資家はうまく稼いでいるのだろうな。新型コロナで景気は悪い、外食産業や観光、運輸は軒並み大ダメージを受けているはずなのに、市場には投資先を求めているお金がたくさんある。正直、今の世の中では、どんなに自分の仕事を一生懸命頑張って貯金したとしても、幸運な投資家が稼げるお金には到底及ばなくなっている。資本がお金を生むのだ。ピケティが行っていることの意味が、自分で投資というものに片足を踏み込んで、ようやく少し理解できていた。
 ソフトバンクホークスのリーグ優勝から一夜明け、内川聖一選手が退団し、他球団への移籍を摸索する、と報じられた。
 そうか、内川、今年は本当に使ってもらえなかったものなあ。ベテランの処遇というのは難しいもので、38歳という年齢を考えると、どんなに実力があってもせっかく世代交代が進んだ時計の針を戻したくない、というのが球団の考えなのだろう。僕もそれなりの年齢になって、勤務医をやっていて思うのは、いくつまで働けるか、そして、働かせてもらえるか、ということだ。これまでは、転職サイトでこちらが選ぶ側だったけれど、定年がない仕事とはいえ、雇う側だって「この人にこの仕事ができるかどうか」を見ることになるだろう。個人的には60際くらいでリタイアしたいところだが、子どもの年齢を考えると、そうはいきそうにない。まあ、内川選手クラスになると、お金や生活の話ではなくて、「まだやれるのに、試合に出してもらえない状況」がつらいのだろうな。
 それにしても、最近の野球選手は、実績のある選手がなかなか引退しなくなった。内川選手や今年阪神からロッテに移籍した鳥谷選手は、ソフトバンク阪神でそのまま引退したほうが、第二の人生にとってプラスではないか、と僕は思ってしまう。彼らが新天地で完全燃焼しようとしても、レギュラーでフル出寿は難しいだろうし、それなら、長年応援してくれたファンに見送られて引退セレモニーをして、コーチなり解説者にスムースに移行していったほうが良いのではないか。
 でも、そういうものではないのだろうな。一度やめてしまったら、復帰できる仕事じゃないし。
 個人的には「まだやれるのに……」と言われながら引退していく選手のほうが好きなのだが、自分のこととなると話は別だ。
 内川、高校卒業時のドラフトのときにカープは断られ、横浜からFAしたときも、これまでカープが唯一獲得に手を挙げたFA選手なんだよなあ。ファーストを守れる右打ちの好打者で鈴木誠也の師匠格でもある内川選手に今回声をかけたら「三顧の礼」ということにならないか。

 なかなか寝付けず、24時半くらいにようやく寝た。


21世紀の資本

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