じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

アーモンドアイの栄光と大阪都構想の挫折

 最近のなかではけっこう暖かい一日だった。
 天皇賞・秋でアーモンドアイの歴代最多のJRA芝G1・8勝目がなるかどうかを複勝馬券だけ持って観戦。
 正直、今日のアーモンドアイは、ちょっと元気がないように見えたのだが、思い返してみると、パドックで良く見えたときのほうが、出遅れたり道中力んだりすることが多かったので、むしろ、あえて余裕を少し残したのかもしれない。
 レースは、スタートをきめたアーモンドアイが、逃げたダノンプレミアムを満を持してとらえ、追いすがるクロノジェネシス、さらにその外から伸びて2着まで上がってきたフィエールマンの追撃をしのいで、悲願のG1、8勝目。
 まさに横綱相撲、ではあったのだが、去年の天皇賞・秋は、ルメール騎手が手綱をおさえて、大喜びしながらゴールを駆け抜けていったことを思うと、相手が強かったというのはあるにせよ、アーモンドアイも、年齢とともに能力が下り坂になってきているなかで、なんとか8つ目の勲章をつかみ取った、ような気もした。
 横綱相撲で勝った、というよりは、スタートが決まり、横綱相撲ができたからこそ勝てた、とみるべきなのかもしれない。
 あのシンボリルドルフも、ディープインパクトも無しえず、アーモンドアイと同じく5歳まで走ったテイエムオペラオーは、春の天皇賞でG1、7勝目をあげたあと、G1で2着続きで「あとひとつ」を勝てなかったことを思い出す。
 G1を8勝というのは、本当にすごい記録だ。そもそも、それだけの数のG1レースを走ることすら難しいのだから。
 その一方で、ルドルフやディープよりもアーモンドアイのほうが強い馬なのか、と聞かれたら、僕個人の印象としては、ルドルフやディープのほうが強かった、と答える。
 まあ、記憶のなかの名馬は、大概、実物よりも強くなってしまうのだが。

 あらためて考えてみれば、アーモンドアイが出走するG1レースは、アクシデント続きで3着までだった安田記念や惨敗した去年の有馬記念も含めて、一度も馬券を外したことがなかった。僕の馬券にとっては、すごく相性が良い馬だったのではなかろうか。
 先週、今週と複勝110円に賭けるというのは、ギャンブルというより自傷行為のような気もしなくはないが。

 インタビューで、あのルメール騎手が涙声になって、アーモンドアイという名馬に乗り、記録に挑むことへのプレッシャーを語っていた。
 先週のコントレイルとアリストテレスの壮絶な叩き合いをみても、「どんなに強い馬でも、実際にレースに出て『勝つ』」というのは大変なことなのだ。
 競馬にはアクシデントや不利はつきものだし。
 
 アーモンドアイ、あとレースに出るのはひとつか、多くてふたつ。日本で走るかどうかもわからないが、大勢のお客さんの前でラストランを見せてほしかったな、と思う。
 新型コロナでの海外遠征の難しさやジャパンカップまでは間隔が短く、有馬記念はアーモンドアイ向きではないことを考えると、記録も達成したことだし、これが最後のレースだったのかもしれないな。個人的には、もう一度、有馬記念に挑戦してほしいような気もするが、そうなったら、馬券の取捨に悩むよなあ。

 大阪都構想、今回は賛成多数になるのではないかと予想していたが、前回に続いて、反対がわずかに上回り断念となった。
 都構想云々というより、最後の最後で、大阪の人たちも、政策そのものより、維新の会を信用しきれなかったのではないか。アンジェスの「ワクチン開発煽り」とか、あまりにも胡散臭いし。
 まあでも、都構想は否決されたものの、維新の会が基本的には支持されているというのも事実なんだよなあ。


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