じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

「山田の年俸を稼ぐためには、ヤクルトを何本売らなきゃいけないと思っているんだ!」

 昼間は蒸し暑いくらいで、夕方からは豪雨。久しぶりにこんなに激しい雨を見たような気がする。
 新型コロナウイルスの感染者がまた激増していて、病院ではみんな神経を尖らせているのだが、世の中は「とりあえずマスクと人前での手洗いはするが、もうあとは気にしないことにする」という雰囲気になっている。みんながステイホームしていた今年の春にこんな感染者数を見たら驚愕すること確実だけれど、人は、慣れたり受け入れたりする生きものだよな、と、あらためて思い知らされている。
 亡くなる人の死に目に会えないとか、葬式もできないとか、コロナ前の自分が聞いたら、「そんなこと、絶対に受け入れられずに病室にずかずか入ってくる人がいるだろう」と思うはず。
 でも、「感染のおそれがあるので、そういうふうにしてください」と言われると、これまでの長年の慣習も、案外、仕方ないねと変えてしまえるものなのだ。
 物騒な話だが、戦争のときの人間の反応も、こういう感じなのかもしれないな。
「いまは戦時中だから、しょうがないね」って。

 ヤクルトの山田選手が7年契約で残留との報道が。巨人とかソフトバンクへ、と言われていたのだが、カープファンとしては、心温まる話題ではあった(どうせウチには来ないしね)。
 インターネットで、「山田の年俸を稼ぐためには、ヤクルトを何本売らなきゃいけないと思っているんだ!」という書き込みを見たときには、自分の部屋がヤクルトで埋め尽くされているのを想像してしまったけれど。
 プロ野球チームには、企業の知名度を上げる、とかそこで働いている人たちの象徴としての意義がある、というのは事実だろう。
 しかし、ソフトバンク楽天、巨人・中日のような親会社がプロ野球をコンテンツにできる場合を除いては、カープ阪神のように企業として黒字にしているチーム以外は、本当に使っているお金に見合った価値があるのだろうか。
 
 まあ、FAでみんな巨人、阪神ソフトバンク、という時代よりは、だいぶマシにはなった。もっとお金が欲しい、挑戦したい、という人は、メジャーリーグを目指すようになった。
 
 それでも、ヤクルトファンにとっては、山田残留は嬉しいよねやっぱり。僕も去年、会澤、野村、菊池、松山が残留してくれたときは嬉しかったもの。自分が7億円払うわけでもないし。ヤクルトファンの村上春樹さんも喜んでいるのではなかろうか。