じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

毎年、『このミス』を読むたびに、「ミステリらしいミステリ」が少なくなってきているのを感じる。

 「熱が出たので病院に来ました」という人を診るのが、こんなに大変なことになるとは、1年前の自分はまったく予想していなかった。先日観たNHKの特集では、大阪の新型コロナウイルスに感染している部屋には清掃業者が入れず、看護師さんたちが清掃や消毒までやっていて、あまりの負担に人がどんどん辞めている、という話が紹介されていた。そんな状況で、ボーナスカットとかなら、そりゃ辞めるか休むよなあ、と思うのだけれど、逆に言えば、それでも休まない人たちが現場を支えているのだ。

 仕事を終えてから、ショッピングモールの書店へ。『このミス』の今年度版を買いに。毎年、『このミス』を読むたびに、「ミステリらしいミステリ」が少なくなってきているのを感じる。そういうのが今の僕にとって面白いかどうかは別として。YouTube世代には、文章から状況をイメージする、というのはけっこう難しいのかもしれないし、本を読む、という行為そのものがもどかしいのかもしれない。
 最近、少しずつ、アニメの『とある魔術の禁書目録』を観ているのだが、いろんなキャラクターが次々に登場してくるなかで、「なぜ、この人はこういう人間になったのか」という背景が描かれないまま、『この人はそういう人だ』ということで話が進んでいくことにけっこう引っかかってしまうのだ。そこで引っかかるのは、僕がコンテンツの受け手として「古い」ということなのだろうか。
 ユニクロで冬物をあれこれ購入。ユニクロも最初は「安っぽい服」のイメージがあったけれど、今ではすっかり市民権を得ているというか、「高級ではないけれど、そんなに安くもない。ただ、みんな着ているので被ることはある」という感じだ。服も僕の地元でいえば『TRIAL』のようなディスカウントショップには、もっと安い服がたくさん置いてあるし、いちいち服に気を遣うのがめんどくさいからユニクロ、みたいなライフスタイルも当たり前のものになってきた。もちろん、スティーブ・ジョブズの着こなしを真似したらジョブズになれるわけじゃないけど。

このミステリーがすごい! 2021年版

このミステリーがすごい! 2021年版

  • 発売日: 2020/12/04
  • メディア: 単行本