じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

クリス・ジョンソン投手の引退コメントをみて、「愛情の深さ」を読み取ることの難しさを痛感した。

 平日休みだったので、映画館へ。
『フリー・ガイ』を観てきた。観終えたあと、けっこう幸せな気分になれる作品であるのと同時に、人間の「人間らしさ」って何なんだろうな、と考えさせられるところもあった。そもそも、人間は架空のキャラクターの感情に、心を揺さぶられることが多々あるわけだし。
 まあ、国語ができるからといって、現実の人間関係でうまく立ち回れるわけではないよね。ソースは僕。
 これからは、オンラインゲーム中心で生きて、現実は生存するためのお金を稼ぐだけ、みたいな人が増えていくのではなかろうか。
 ただ、GTAグランド・セフト・オート)がアメリカほど売れていない日本では、よくわからない人も多そう。映画としては、『サイバーパンク2077』のPS4版を作らされた人たち、とかをテーマにしたほうが面白そうではある。

 元カープクリス・ジョンソン投手が引退を発表。東京オリンピックでのアメリカ代表入りを打診されていたそうだが、カープにいたときの自分を覚えていてほしい、という意向で辞退したのだとか。もし絶好調のジョンソンが投げていたら、日本代表にとっては、さらに厳しい試合になっていたのではなかろうか。ただ、昨年のカープでのピッチングをみていたので、そんなに突然V字回復して以前のジョンソンには戻らなかっただろう、とも思う。あらためて考えてみると、2016年からの3年連続リーグ制覇にピッチャーとして最も貢献したのはジョンソンだったし、ジョンソンが勝てなくなったら、カープの順位も落ちていったのだ。

 この記事を読んで感じたのは、人の「思い」とか「愛情」の深さって、普段の立ち居振る舞いからはわからない、ということだった。
 ジョンソンは金銭的な条件は良いであろうメジャーリーグへの復帰や日本の他球団への移籍を断って、6年もカープでプレーしてくれたのだが、僕がみていたジョンソンは、けっこういつもマウンド上でイライラしていて、素晴らしいピッチャーだけれど気難しく、扱いづらそうなピッチャーだったのだ。石原さんがいたから、というのはあるとしても、いつ他所へ引き抜かれてしまうのだろう……と不安でもあった。
 エルドレッドのような「フレンドリーでチームメイトからも愛されていたエピソード」もあまりなかったし(遠藤投手にアドバイスした、というのをネットで読んだときには、ジョンソンに聞けるような雰囲気があるのだなあ、と意外だった)。

 チーム愛、を日頃から口にしている選手が、FAで出ていくこともあるし、ジョンソンのように、「きっともっと稼ぎたい、メジャーに戻りたいと思っているのだろうな」と勝手に想像していた選手が、こんなにカープへの愛着を持ってくれていることもある。
 人間の「愛情」の深さというのは外面からではわからない、ということをこの年齢になってあらためて痛感した。


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