じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

結果は残念だったけど、ソダシの挑戦には「こういう馬がいてこそ競馬だよな」と思った。

 あっという間に12月になっていた。ボーナスはないが、次の給料日までが短い感じなのは悪くないけれど、なんだか時間が経つのが速すぎる。紅白歌合戦を観ながら、二階堂ふみさんってなんでもできるんだな、と感心してから、もう1年も経つんだなあ。嵐がいなくても地球は回っているし、上皇陛下が今上天皇に譲位してから3年も経つのだ。

 競馬の中京でのダートG1、チャンピオンズCには白毛馬のソダシが登場。お母さんはダートが得意な馬だったし、あのクロフネの娘が、芝ダート両方でのG1制覇を成し遂げるか、と注目が集まったのだが、終わってみれば、地方競馬のダートの祭典、帝王賞を今年勝った4歳馬、テイオーケインズの圧勝だった。チュウワウィザード本命だったので、馬券的には、アナザートゥルースとチュウワの2着争いのほうにばかり目が向いてしまったが。ソダシは1枠1番から逃げたものの直線ではあっさりと沈んで二桁着順。個人的には、ダート適性よりも、あまりにも直線で無抵抗だった秋華賞での負け方のほうが気になっていたのだが、今回も勝負所でレースがイヤになってしまっているようにみえた。僕は馬主でも調教師でもないから、というのはあるのだが、ソダシをみていると、「貴重な白毛馬、しかもG1を2勝もしている奇跡的な存在であり、レースに出走するたびに、何かアクシデントに遭わないか、けっこうヒヤヒヤしてしまう」のだ。馬は喋れないので、ソダシに「いや、レースで走ることこそが、私の人生!」みたいな主義主張がある可能性も否定はできないけれど。正直、もう引退して血統を繋いでいってほしい、と今回のレースをみて思った。阪神JF桜花賞のソダシは、とにかく並んだら抜かせない、という勝負根性が伝わってくる馬だった。でも、今はそんな執念が伝わってこない。
 ただ、ソダシなんて来るわけない、初ダートでG1なんて、とネットでソダシの挑戦をバカにしていた人たちには、「距離とか芝ダートの適性とか海外とかの新しいことに挑戦する人がいなくなり、みんなが自分の得意なフィールドから出てこなくなったら、そんなの『競馬』じゃないだろう」と言いたくはなる。
 人間、自分の人生で「挑戦」なんてなかなかできないから、無謀にすらみえる挑戦をする馬や人にいろんなものを託してしまう。それは馬にとっては甚だ迷惑なのかもしれないが、9割の夢が散るなかで、たまにものすごい光景を見ることができるからこそ競馬は面白い。
 だから僕は、今回のソダシの挑戦には「こういう馬がいてこそ競馬だよな」と思っている。
 (馬券的には、ソダシがいたおかげで、枠連3-7が600円もついた。いなかったら500円以下だったな、と黒い感謝をしたのはここだけの話だが。まあ、馬券は別だよね、単勝100円とかならともかく)

 チャンピオンズCが終わると、あとはもう、まともに予想できるG1レースは有馬記念だけだな、もう今年も終わりだな、と感じる(そして、まともに予想しても有馬記念は外れる)。2歳G1は、当たれば儲けもの、みたいな気分だし、実際にあまり当たらないし。そういえば、グランアレグリア朝日杯FSで3着に負けたんだよなあ。1着がアドマイヤマーズ、2着がクリノガウディーだった。クリノガウディーも何かと波乱を呼ぶ馬生を送っているな。