じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

第89回東京優駿。終わってみれば、武豊。

 明日から仕事に戻るのだが、体調は万全には程遠い。
 とはいえ、「もう感染のリスクはない」「症状が残ることはよくあるので、少しずつ慣らしていくしかない」と言われては、ずっと休んでいるわけにもいかない。

 とりあえず、今日は競馬者としては当てておきたい東京優駿日本ダービー)。
 皐月賞上位の4頭(ジオグリフ、イクイノックス、ドウデュース、ダノンベルーガ)に、気になるのが皐月賞、内を通って粘っていて、今回も内枠で先行できるアスクビクターモア。別路線組は今年は力不足だろう、と見立てたものの、ダービーは外したくないなあ、なんて思っていると、あれこれ買い足したくなってしまって困る。4強がみんな外枠、というのも不安材料。色々と調べてみたら、ダービーは外目の枠がけっこう来ていたのだが。
 久々に、パドック、返し馬までしっかり見て、結局、4強の枠連ボックス(キラーアビリティに「もしかして」を感じたことや、レーン騎手が8枠の馬に乗っていたこともあり)と、ジオグリフを除く3頭とアスクビクターモアの馬連、最後に外国人騎手と「もしかして」のマテンロウオリオンがいた5枠と8枠まで追加。まあ、結果としては4強の枠連で良かったのだが、アスクビクターモアも買えていたことに、馬券的には満足。最後の直線も安心して観ていられた。
 それにしても、ダノンベルーガ、心の本命だったのだけれど、調教がハードすぎたのか、大観衆のプレッシャーがあったのか、スタート前に発汗がひどく、サートゥルナーリアのダービーを思い出した。アスクビクターモアも差せずの4着だったのだが、先週のサークルオブライフを思えば、あの状態で4着ならけっこう強いのかも。しかし、こう毎週、馬券購入後に買った馬(しかも本命馬)が馬券発売締め切り後のスタート前、異常に発汗したり入れ込んで首をブンブンさせているのを見せられると、競馬なんて大金を賭けるものじゃないな、とは思う。そしてまた翌週、同じくらいの金額を賭けている。これを四半世紀続けている。競馬をやっていなければ、タワーマンションまでは言わなくても、ポルシェとかベンツには乗れていたのではなかろうか。別に乗りたくもないからいいか。

 ダービーは、いいレースだった。強い馬が強い競馬をした。
 いや、正直なところ、ドウデュースは皐月賞がピークだったのではないか、ダービーは距離がもたないのではないか、と疑ってもいたのだけれど。
 最近のG1での武豊騎手の騎乗ぶりにも、さすがに年齢的な厳しさもあるのかな、と感じていたし。

 終わってみれば、武豊
 もう年だろ、と思っていたら、武豊
 本当に、競馬界の不世出のスーパースターであり、自身もそれを背負って乗り続けているのだからすごい。
 以前、佐賀競馬武豊騎手が乗りにきた際に、乗っていたタクシーの運転手さんに「今日は、武豊とかいう人が来ているみたいで、すごくお客さんが多くて驚いています」という話をされたことがあるそうだ。その運転手さんは、顔を知らずに、本人にそう話しかけていたと、武豊は笑っていた。
 武豊騎手の大ファンというドウデュースのオーナーは、武豊凱旋門賞を勝つのが夢、だと言い続けているけれど、ずっと大ファンだった騎手で日本ダービーを勝つことがすでに「宝くじで3億円を当てる以上の夢を叶えた」ようなものだよなあ。
 なんのかんの言っても、武豊が勝つと盛り上がる。6万人の大歓声が戻ってきたダービーで、50代での勝利を成し遂げるとは。マンガかよ!
 皐月賞は位置どりが後ろすぎて負けた印象だったのだが、こうしてダービーを勝てば、あの皐月賞の敗戦もチャラというか、ダービーを見据えての深慮遠謀だったようにさえ思えてくる。
 ルメールのイクノイックスも強かった。枠順が逆だったら、ドウデュースとの順位も逆だったかもしれない。
 調教では皐月賞の方が良かったようにも見えたのだが、この馬もやっぱり強い。

 馬券的には、ほんの少しプラス、くらいにおさまったのだが、金額よりも「復帰前を少しでも良い気分で迎えられる」ことにホッとした。
 それをいうなら、リスク回避として馬券を買わなければ良いのだけれど。

 ちなみに、長澤まさみさんがプレゼンテーターとして来場していて、ネットでは長澤さんがナレーションをやっている『鎌倉殿の13人』に引っ掛けて、『鎌倉殿の13番』だと盛り上がっていた。真面目に予想してもアクシデントで外れることはよくあるし、先週のオークスみたいに「何も考えずに外国人騎手ボックス」で当たってしまうこともある。そんなこんなで、四半世紀もやってきた。あと何回、ダービーを観られるのだろうか。なんとか100回を見届けたいものだ、と厭世的な気持ちも、少し忘れることができたかな。