月曜日の朝から、週末に状態が悪くなった、という患者さんがたくさんいて気分が沈む。
そういう仕事、ではあるのは百も承知なのだが、コロナ禍で、弱ってしまった高齢者も多い。
台風も近づいてきて、本当に最近良いことないなあ、という感じ。
とりあえず、台風で不要不急の外出は避けてください、とアナウンスされていたので、強風のなかまっすぐ帰宅し、シャワーを浴びてぐったりすることにした。
風は強かったのだが、雨量はそれほどでもなく、あまりにも「強力な台風」と伝えられていたために、なんだかピンとこない感じで自宅待機。明日は学校も休みになるらしい。新幹線や在来線、バスなども明日の午前中は運休になることが発表された。
僕が子どもの頃は、台風が来るという予報が出ても、休校になるかどうかなかなか決まらず、当日の朝に連絡があることが多くて、「明日は休みにならないかな……」と前の夜に期待していたのを思い出す。台風で外に出られない、という名目で面倒な学校に行かずに一日中ファミコンをやれるのはけっこう嬉しかった。で、RPGのレベル上げをしていたり、アクションゲームで快調に進んでいるときにかぎって、突然停電するんだよなあ。
以前は、公共交通機関や学校は「できるかぎり運行する、登校させる」という雰囲気だったのだが、こんなふうに、前日から運休が決められ、みんなそれを安全のためには良いことだ、と受け止めるようになった。
僕が生まれてから半世紀で、少しずつかもしれないけれど、人々の考え方とか常識というものは、変わってきている。
たぶん、人にやさしく、安全なほうに。
ああ、本当になんかやりきれないなあ、と思いつつ、久しぶりのIPO(新規公開株)の抽選結果を確認していた。これはもう、外れるのがデフォルトなのだが、わかっていてもあまりにも外れ続けるのでつらくなってくるのだ。
まあ、今回も無理だろうけど……いちばん配分(当選数)が多い主幹事はこれまでほとんど当たらず、ごくたまに当たれば公募割れ(募集金額よりも安い初値がつく)で損してしまう、日興証券だし。今回の『ジャパニアス』みたいな、爆益ではなさそうだが、そこそこ安心して買えそう(値上がりしそう)なのは、当たったためしがない。
そのほかの証券会社で「落選」を見続け、最後に主幹事の日興証券のサイトを「どうせ外れだけど」と思いながら抽選結果を開いてみると、なんだかいつもと違う赤い文字がみえて硬直してしまった。えっ、日興のIPO抽選の結果の赤いのって「当選」じゃないの?いやこれ、何かの間違いというか、僕にこういう銘柄が当選することがあるのか日興さん……正直、ずっと「僕は何か日興証券に嫌われることをしたのだろうか……すでに抽選対象から外されているのでは……」と疑っていた。
思わず、夜中に声を押し殺しつつガッツポーズとかしてスクリーンショットまで撮ってしまったではないか。
まあなんというか、半世紀くらい、ものすごく精神的にきついときも多かったのだけれど、そういうギリギリのときにかぎって、こういうちょっとした幸運がやってきて、それで少しだけ浮かび上がって生きてきたような気がする。実際は、ただでさえ落ち込んでいるところに落選ラッシュでどん底、のほうが多いのだけど。
捨てる神あれば拾う神あり、なんだよな、生存者バイアスなのかもしれないが。