じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

誕生日の朝は、新型コロナウイルス感染対策会議ではじまった。

 
 誕生日の朝は、新型コロナウイルス感染対策会議ではじまった。
 さすがにもう収束していくだろうと思っていたし、世間的には「もうコロナの話は飽きたよ」という感じで、みんなマスクはして普通に外出している、という状況なのだが、持病のある高齢者をみている病院にとっては、重大な問題なのだ。
 感染者増で、発熱外来も大変なことになっているし……以前のような、コロナに感染していたら世界の終わり、みたいな人はいなくなって、「ああそうですか」という反応が多くなったのは良いことなのか、悪いことなのか。

 とりあえず、Twitterでは風船が上がり、「僕を祝ってくれるのはTwitterとCOVID-19だけだな」と沈んだ気分になったのだが、ネット経由で予想外に多くの人に「おめでとう」と言ってもらえてありがたい。この年齢になって思うのは、若い頃に照れてしまって拒絶していたお祝いや人とのつながりを、素直に受け入れていればよかったな、ということだ。まあ、それは今の年齢の僕からみて、という話で、当時は「素直な反応=拒絶」だったのかもしれないが。たぶんそうなんだよな。いまくらいの精神状態で、20歳に戻ったら、もう少しモテるのではなかろうか。とか思いつつ抑肝散を飲む。やっぱりこれで戻ってもイライラするだけか。

 帰り道にふと車の計器をみたら、ガソリンの可能走行距離の残りがいつのまにか0㎞になっていて焦った。さっきまで9㎞だったのに!
 いきなり0になるなんてあんまりだ。でも、ずっと前にもこういうことがあったし、深刻にお金がない学生時代ならともかく、めんどくさがって給油していなかっただけで、誕生日にガス欠なんて目もあてられない。結果は、なんとかスタンドに滑り込んでセーフ。とりあえず、次の1年は、健康とガス欠に気をつけたい。
 
 両親はともに50代で亡くなっているので、ここからは、いつ何が起こってもおかしくない、というのと、「こんな年や心境で、人間というのは死んでしまうものなのか」という感情が入り混じっている。
 村上春樹の小説に「ある日、人生の折り返し点を過ぎたことに気がついた」というのがあったけれど、いまの僕は、もう4コーナーを回って最後の直線に入ってきている。有馬記念で直線あっというまに馬群に飲み込まれたタイトルホルダーを思い出す。G1を3つも勝っている馬に失礼だな、僕など未勝利クラスなのに。


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