じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

映画『インサイド・ヘッド』と竹内結子さんのこと

 8月22日。平日休み。久しぶりにとくに用事のない休みの日になったので、映画でも観に行こうかと、映画『インサイド・ヘッド』の1作目をAmazonプライムビデオで観た。観たことあったような、なかったような……最近、そういうコンテンツが多くて、観たり読んだりしはじめて、ようやく「既視感」に気づくことも少なくない。本とかは、タイトルを変えて出版されていることもあるから油断ならない。

 『インサイド・ヘッド』人の頭の中での様々な感情をキャラクター化し、そのせめぎ合いを映像化した作品なので、もっと思索的なものなのかと思っていたが、案外、普通のピクサーの冒険もの+ネガティブな感情も大事だよ、という、無難な内容を面白い映像で見せる、という映画だった。それでも、子ども時代の、なんだかわけのわからない苛立ちだとか悲しい気持ち、みたいなものを思い出し、この年になると、そういう子どもの姿に「幼かった過去への愛着」と「子どもの成長に伴う自我形成への困惑」が入り乱れる親の感情も理解できて、涙が出そうになってしまった。あの頃、親だってひとりの人間として弱音を吐きたかっただろうな。でも、子どもは親には親らしくいてほしいと思いがちだ。

 日本語版で、主人公の「ヨロコビ」の声をあてているのが竹内結子さんだったので、観ながら、竹内さんのことを思い出さずにはいられなかった。
 ドラマ『ランチの女王』や映画『いま、会いにゆきます』の竹内さん、本当にキュートで、小生意気で、強さと儚さを併せ持った俳優さんだった。
 この映画の公開が2015年、竹内さんが亡くなられたのが2020年。
 人は、どんなにうまく他人を演じていても、自分や身近な人をうまくやり過ごすことは難しい。教育評論家の育児がうまくいくとは限らないし、家族愛YouTuberの内実は酷いものになりがちだ。

 今見ても、良い映画だとは思うけれど、吹き替えで見ると竹内さんのことばかり考えてしまったな。

 結局、細々として用事ができて『インサイド・ヘッド2』を観にいくことはできなかった。いや、なんか気乗りしなくなってしまった、というほうが正しいか。

 24時過ぎに就寝。


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