じっぽ当直日誌・スーパーマイルド@はてな

『さるさる日記』から続く、中年内科医の日常日記。これまでの分はこちら。http://touchoku.jugem.jp

仕事帰りに買い物へ行く途中、この状況下でまだ営業しているパチンコ屋を発見した。

 ゴールデンウイーク前の半日仕事。こんな状況下でもあるし、なんとか無難にやり過ごして……と思っていたが、もちろん、そんなに甘くはなくて、今年もまた、「連休に入るから心配」と「なんでわざわざ休みの直前に……」の不毛な諍いが多数発生した。
 そして、医療の領域に関しては、「もし何かあったら責任取ってくれるんですか!」と声を荒げたほうが勝つ。
 僕は四半世紀くらいこの仕事をやっているけれど、これだけは1年目からずっと変わらない。
 まあ、これだけ続けていれば、「何かあったときはあったときだよな」というくらいの開き直りはできるようになった……気がする。

 5月に入ったとたんに日中は暑いくらいになって、気温も30度近くまで上がった。
 これまで「なんで4月なのにこんなに寒いんだ?これもコロナの呪いなのか?」なんて思っていたのだが。
 新型コロナが猛威をふるっていても、春は、来るときには来るのだ。
 新たな感染者数や治療中の人数のグラフをみていると、ピークは過ぎたようにも見える。諸外国のなかで、万単位の死者が出て、医療崩壊している国のことを思えば、日本(そして、日本に住んでいる人たち)は、感染拡大の封じ込めについては、かなり頑張っているのではないか。経済的に困っている人たちに思いきって支援して、あと1か月くらい人どうしの接触を減らしていけば、一気に収束に向かっていくのではないか(希望的観測)。もちろん、ここで油断したら元の木阿弥なのだが。
 でも、休校も営業制限も、だいぶつらくなってきたよなあ。とくに、学校とかどうするんだろうこれ。長男が通っている小学校では、急いでオンライン授業の用意をしているそうだが、短期間で適切なものがつくれるとは思えないし、できたときには、もう普通に学校に行ける、ということになるかもしれない。オンライン〇〇とか、いろんな店のテイクアウトとか、コロナが収束したら、みんなやめてしまうのだろうか。

 仕事帰りに買い物へ行く途中、この状況下でまだ営業しているパチンコ屋を発見した。
 信号待ちの際に車窓から眺めると、中はかなり賑わっているよう。この小さな店、コロナ禍までは「この店、まだ営業しているのだろうか?」と思うくらい閑散としていたのだが。
 「こんな状況で営業しやがって!」という目で見てしまうせいか、店内のお客さんもみんな悪人のように思えてきた。
 でも、今、そこまでしてパチンコをやりたい、というのは、それはそれで切実なものなのだろうな。そして、営業している店も、ふだんのさびれた様子を通りすがりにみているだけに、きっと、この店にとっては、一世一代のかきいれどきなのだろうな、とか考えずにはいられない。感染拡大予防の観点からみれば、「自分の儲けしか考えないのかよ!」と言いたくなるのだが、このまま潰れるくらいなら、抗議が来ても開けられるだけ開ける、という選択も、完全に否定してしまう自信はない。自分が食い詰めているときに「みんなのため」に我慢できるのは聖人か周囲の反発を恐れる人だけではないか。こんなにお客さんが一杯で、経営している人はうれしいんじゃないかな、とも思う。
 正直、どんな店であれ、「お客が少なくて、いつ潰れるんだろう、と感じる店」にお客さんがいるのを見かけると、僕は少し安心する。偽善だということはわかっているのだけれど、子どもの頃から、ずっとそうだった。
 店で遊んだ人にしか感染しないし、そこから他人にはうつらない、というのなら、「自己責任」で良いんだろうけどねえ。
 
 ようやくゴールデンウィークに突入。この状況下なので「ずっと家にいる」から、病院で何かあって呼び出されないことを祈るのみ。


コロナの時代の僕ら

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